概要
異聞帯の要。宙より舞い降りた、世界を根付かせるための楔。
惑星を初期化し、新たな神話を作り上げる。星に根を張る性質を持ち、異聞帯という現実を拡大させ星を
濾過異聞史現象を成立させている要石で、空想の樹なくして、現実への侵攻はありえない。
空想樹があれば異聞帯が消滅する事はない。逆に言えば空想樹を育てなければ世界を維持できない。
スカサハ=スカディによると、空想樹が宙から根を伸ばし、クリプターが現れたという。
全体的な外見は皹の入った巨大な白色の柱であり、生育が遅いとされているロシア異聞帯の空想樹オロチでさえ、太さ数百メートル、高さ数キロメートルという規格外のサイズを誇る。
地脈から
根を下ろした上で成長すると、種子を吐き出して射出するようになる。これは育成が良好な証拠で、後述の理由によりクリプターと異聞帯の王(接続者)との関係が良好という事でもある。[注 1]
内部に独自の次元を内包しており、場合によっては「開花」という現象が発生し、その名の通り白色部分の皹が大きくなって砕けて内部が露出し、その中にある銀河が見える。これはイメージでも何でもなく、本当に銀河を内包している。どの様な方法で銀河を内包しているかは不明で、擬似的な、ミニチュアの銀河、それとも本物の銀河に接続しているなどがカルデアの推測に上がっている。内部に銀河がある事にどの様な意味があるのかも不明。
起動後は膨大な魔力量を以て、星の人理を巻き戻し、神の下に帰還させる現象が起きる[注 2]。この際神代クラスの真エーテルに近しいものが観測される。エネルギー源としてスルトが取り込んだ際はフェンリルの氷の権能を取り戻す事を可能にした。
空想樹に意思は無いが、「刈り取られるのは嫌だ」「生きたい」「死なない」「許さない」などといった生存への欲求は存在している。
防衛本能で自律的に種子を射出し、ソンブレロは生きたいが故に取り込もうとするスルトに望んで手を伸ばした。生存のための機能として根と幹が離れても空間のねじれを通じて繋がり続けることが出来る[注 3]。
スカディ曰くある種の外的要因がなければ基本的には切除は不可能。だがソンブレロはスルトに呑み込まれたことで劣化していたのか無事切除された。
カルデアにとっての最大の排除対象。時間経過で成長し何れ完全に根付いてしまう為に後回しにするのは危険[注 4]。 シャドウ・ボーダーに搭載されているペーパームーンの羅針盤に現れていない『異物』で、ペーパームーンは異聞帯を『地球の地形』として判定して観測しているが、空想樹だけは除外している。
空想樹は特定の存在が「接続」することが出来、接続者は空想樹の生育を担い、命令する事でその種子を自壊させるなどある程度の権利を持つ模様。
接続およびその解除の権限はクリプターが持つが、接続者は(クリプター側の想定では)異聞帯の王が担う。王からすれば空想樹は自分の世界が剪定されながらも蘇った要であり異物でもあるため、その扱いは各々で異なる。
空想樹の種子
無機質な逆円錐と底面側にある球体が四方で繋げられた、通常の生物では有り得ない形態をしている。
空想樹が防衛本能で自律的に射出するもので、種の状態でも自律行動し、更に戦闘力も存在する。
攻撃本能や凶暴性がかなり際立った存在で、マシュが「笑っている」と感じる挙動をとるなど、機械的ではないが、命を散らす事に戸惑いが無い。
空想樹から射出され、空中で落下軌道を変えて対象へと狙い違わずに落ちてくる。飛距離は北欧山嶺からスカサハ=スカディの城まで届くほど。
飛来するだけではなく、地上を移動して対象に取り憑こうとする個体も存在する。
耐久力も高く、ナポレオン曰く神獣スフィンクスの顔と同程度には硬そうだとか。
空想樹と接続した者が命令すれば自壊させることが可能。
マシュ・キリエライトが「異聞帯特有の幻想種で、神話や伝承に記されるものではなく、独自の生態系を構築するタイプの魔獣」と予想した際に、フォウが否定した。
空想樹一覧
- 空想樹オロチ
- ロシア領の異聞帯に根付いている空想樹。異聞帯の中心に存在する。
- だがロシアの異聞帯の王は旧来の神を信仰し続けており、空想樹の存在を拒絶し大地を操作する最高特権『非常大権』で根付かせず、自身の力での領土拡大を望むゆえか、完全には根付いていなかった。
- 異聞帯に王がいなくなった後、カルデアとの交戦を経て異星の巫女により切除された。
- 空想樹ソンブレロ
- 北欧異聞帯の空想樹。世界の礎たる世界樹。北部地域の炎の山嶺の彼方に根を張っている。
- 氷雪の結晶を散らす事で、その姿はあらゆる目から隠されており、魔力感知は阻害されると同時に、魔術的な効果で光学的な隠蔽が行われていた。
- 他の空想樹と異なり、「種子を広範囲に吐き出す」という行為をしているが、開花するには至っていない。これがどういう状況であるのかは不明。
- スカサハ=スカディと接続していたが、強制的に接続が切断され、スルトが虚数空間に干渉を可能とするペーパームーンの力で否定に否定を重ねる事で喰らって取り込み、リソースにする事で霊基を再臨させ過去に失ったフェンリルの氷の権能を取り戻した。スルトは空想樹を全て呑み込んだ訳ではなく、大地に根が残っており、スルトの中の空間のねじれを通じて根と幹が繋がったままだった。スルトとの接続が解除された後は第23集落の付近に植樹に近い形で移動している。
- スルト及びスカサハ=スカディが倒された後、カルデアにより切除された。
- 空想樹メイオール
- 中国異聞帯の空想樹。内部が異空間になっている扶桑樹の内部に隠されており、扶桑樹の持ち主であり異聞帯の王である始皇帝でも存在を把握していなかった。
- 王とクリプターの信頼関係など全くない状態であったが、扶桑樹の内部次元で魔力を吸ったことで、オロチ・ソンブレロとは桁違いの大きさに成長し中華の霊脈に根を張っていた。コヤンスカヤによって外部に出現した後、さらに天仙である虞美人が霊基を憑依させたことで完全に開花。重力変動、ガンマ線・宇宙線の放出の後に、幹が裂けて内部の「銀河」が露出する状態に。虞美人の憎悪を受け継いでカルデア勢に牙を剥いたが、始皇帝の助力もあって空想切除された。
- 空想樹スパイラル
- インド異聞帯の空想樹。異聞帯東部にある乳海に囲まれたその先に位置しており、麓には白い彼岸花が咲き乱れている。
- 特に隠蔽はされていないものの、鋼や人体、さらには霊体をも容易く溶かすほどの毒性を持つ乳海の存在ゆえに王以外は近づくことができず、普段は異聞帯の王である神たるアルジュナが付近を巡回飛行することで監視している。
- アルターエゴ・リンボはアルジュナを唆してスパイラルの力を利用させ、ユガの周期を加速させていた。またアルジュナとカルナが激突した最終決戦では、膨大な魔力をスパイラルからアルジュナへと供給させており、この時メイオールと同様に内包していた「銀河」が表出したほか、表皮がどす黒く変色するなどの異変も見られた。
- その後、ペペロンチーノはアシュヴァッターマンと共に異聞帯と空想樹を守らんとしてカルデアと交戦するが、叶わず切除された。
- アトラスの世界樹(空想樹マゼラン)
- 大西洋異聞帯の空想樹。既に完成しており、その根は地球の表層の八割を覆い尽くしている。他の異聞帯の空想樹を切除してもアトラスの世界樹がある限り汎人類史の復権はできない。人理漂白の際はその枝が空を覆い、末端が1本ずつ生命体の心臓を突き刺し塵にすることで汎人類史の生命を根絶やしにしている。
- 『アトラスの世界樹』というのは大神ゼウスが名付けた。天を支える空想樹と称される。
- 外部からの切除は不可能だったが、ベリルの手で内部から焼き尽くされ、破壊された。
- 空想樹セイファート
- イギリス(ブリテン)異聞帯の空想樹。
- 『神代巨神海洋 アトランティス』の時点でベリルが丸め込んだ原住民の手で伐採されたものと思われるが……?
メモ
- 個別の名前の由来については「オロチ銀河」「ソンブレロ銀河」「メイオール天体」「
渦巻 銀河」「マゼラン雲(マゼラン銀河)」「セイファート銀河」が存在している事から銀河の名称ではないかと言われており、シャーロック・ホームズも同様に推測している。 - 空想樹戦で使用されている楽曲は、その空想樹の成長段階に応じて変化していくとされている。実際の楽曲はオロチとソンブレロが共通、メイオールはそこに主旋律を追加したもの、スパイラルはメイオール戦の主旋律を不安定にし、不協和音を混ぜたものになっている。
- 戦闘時のクラスは基本的に各異聞帯の王と同一のものが設定されているが、メイオールのみ同化した虞美人と同じアサシンクラスに設定されている。また天地人属性も個体ごとに設定されており、こちらはすべて各異聞帯の王と同じ属性が割り振られている。
- 通常時の形態は種で、大地に突き刺さり大地から魔力を吸い上げて成長するという特性はNotes.に登場する騎士にして魔剣であるアド・エデムの特性とほぼ同じ。アド・エデムは「人間を守る為に世界を滅ぼす」という人間の在り方を具現化させたモノであるとされており、この特性についてもFGO全体における敵と共通している。
話題まとめ
脚注
注釈
出典