ジル・ド・レェ

2016年3月27日 (日) 18:56時点におけるカリス (トーク | 投稿記録)による版 (→‎メモ)

キャスター (Zero)

  • 真名:ジル・ド・レェ
  • 身長:196cm / 体重:70kg
  • 出典:史実
  • 地域:フランス
  • 属性:混沌・悪
  • 性別:男性
  • イメージカラー:濁った黒
  • 特技:イベント立案・プロデュース
  • 好きなもの:ボーイッシュな少女、フェミニンな少年 / 苦手なもの:政治・財政管理
  • 天敵:ディルムッド、ランスロット
  • CV:鶴岡聡

魔術師」のクラスのサーヴァント。カエルめいた異相(いわゆるインスマウス顔)をした長身の男性。

略歴
真名はジル・ド・レェ。百年戦争で活躍し、戦後において悪政を敷き領民を虐殺した悪鬼。
『Zero』ではマスターである雨生龍之介が戯れに行った儀式殺人が契機となり、第四次聖杯戦争にキャスターとして参戦することになる。触媒のない召喚であったため、マスターと同じく殺人に耽溺する汚染された精神の持ち主として召喚された。
『Grand Order』では第一章のキーパーソンとして登場。聖杯を手にしたジャンヌ・オルタによって召喚されたキャスターのサーヴァント……だと思われていたが、実際は聖杯を所持していたのは彼であった。聖杯の力でジャンヌ・オルタを作り出し、敬愛するジャンヌ・ダルクを裏切ったフランスに、世界に復讐するため、憤怒のままに「邪竜百年戦争」を引き起こす。
人物
残忍・狡猾な性格であるが、慎重とは言い難い。大仰で持って回った言い回しが多いが、素の性格はそれなりに紳士的。だが、激昂すると異様に早口になり、口調も乱暴になる。
聖杯の召喚に応じたのは聖処女ジャンヌ・ダルクの復活を求めるゆえであったのだが、セイバーのことをジャンヌであると誤解してしまっており、「もう願いは果たされた」と聖杯そっちのけで彼女を追い求める。目的(セイバー)のためなら後先を考えない。
能力
騎士・魔術師としての能力は皆無だが、強力な魔道書である宝具「螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)」による補佐を得て召喚術を行使する。
戦闘スタイルは、ほぼ無限に召喚が可能なヒトデに似た海魔による物量作戦。シンプルな戦法ながら、対人宝具しか持たない相手への効果は絶大で、対城宝具を封じられていたセイバーは劣勢に追い込まれ、ランサーの加勢後も途中までは有利に戦いを進めていた。
その一方で対軍宝具に対しては通常サイズの海魔ではまったく歯が立たず、ライダーには工房の守りとして大量に召喚してあった海魔を一方的に蹂躙されている。
そもそも魔術師ではないため魔術の秘匿には全く無頓着で、魔術の痕跡を隠そうともせずに垂れ流した結果ウェイバーに工房を発見されている。
だが工房それ自体の立地は切嗣でも発見できなかったほど秘匿性が高く、セイバーを誘き出し有利な状況で戦いを挑んだり、工房の破壊の度合いからライダーとの相性の悪さを認識するなど、かつて一国の軍を率いた武将としての才覚は失われていない。
終盤に制御を度外視して召喚した大海魔は、クトゥルーの神を模した百メートル以上ある巨大な怪物で、彼自身と融合している。その巨体に加え、戦闘機を捕獲するほどの俊敏な触手と体の半分を吹き飛ばされても即座に復元できる再生能力を誇り、ライダーの「王の軍勢」すら圧倒した。
また、ランクは低いものの「芸術審美」のスキルを持ち、芸能面における逸話を持つ宝具を目にすれば低確率で真名を看破できる。

セイバー (Grand Order)

  • 身長:196cm / 体重:91kg
  • 属性:秩序・善
  • 出典:史実
  • 地域:フランス
  • 性別:男性

『Grand Order』では「剣士」のクラスのサーヴァントとしても登場。

略歴
魔道に堕ちる前の、ジャンヌの副官として正しくあった頃のジル・ド・レェ。
『Fate/Grand Order』の第一章では、サーヴァントではなくAD.1431の生前の本人が登場。軍を率いる指揮官として、ジャンヌと主人公らに協力した。
正気の彼と、キャスターとして狂った彼が同時代に存在し、敵対することになった。が、結局最後まで直接顔を合わせることはなかったのだった。
人物
キャスター時とは打って変わって清廉で礼儀正しい騎士そのもの。ジャンヌが魔女として処刑された後も、彼女を信じ続けた。
生前は芸術を愛した事もあってか芸術肌を自称しており、骨董品の類に興味がある。反対に女性に関してはフランチェスカなる人物で懲りた為か、興味はない。
一方で自分が壊れたらマスターに令呪で自害させるように嘆願したり、霊気再臨が進むと暗黒面に囚われかけるなど、不穏な一面もある。
また、自分がいつか地獄に堕ちることを自覚しており、嫌いなものも答えたら「そうなる」という理由で口にしようとしなかった。
能力
魔術の類は使えないが、キャスター時とは違い、騎士としての能力を持っている。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 雨生龍之介 D E D C E A+ 陣地作成:B
道具作成:-
精神汚染:A
芸術審美:E-
主人公 (Grand Order) D E D C E A+ 陣地作成:B
セイバー B C C D D B 対魔力:B
騎乗:B
軍略:C
黄金律:B
狂化:EX

宝具

螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:100人
由来:フランソワ・プレラーティーがイタリア語に訳したルルイエ異本。
それ自体が魔力炉を内蔵した魔導書。キャスター自身は正規の魔術師ではなく魔術の素養も無いのだが、代わりにこの魔導書が魔術を行使している。
言うなれば、「ジル専属の魔術師」である「宝具」。所有者の技量に関係なく魔導書そのものが大魔術・儀礼呪法を代行し、具え持つ属性に従って深海系の水魔の召喚を行う。このためキャスター本人は呼び出した海魔を使役するだけで良い。
海魔の一体一体の戦闘力はサーヴァントと比べるべくもない弱さだが、種別が対軍宝具であるのは伊達ではなく数十体を召喚可能。さらに倒された海魔自体を媒体に新たな海魔を召喚可能であり燃費も良い。また、使役することを度外視すれば超巨大な海魔を召喚可能(制御は出来ない)。
ただし、あくまでも「魔導書が行っている召喚魔術」であり、召喚そのものは「宝具の奇跡」ではない。召喚中の魔物は常時魔導書からの魔力供給がなければ現界を保ってはいられず、一瞬でも供給が途切れると消滅する。
神聖たる旗に集いて吼えよ(セイント・ウォーオーダー)
ランク:B
種別:対人宝具
セイバー時の宝具。旗を掲げ、自身の能力を強化する。
『Fate/Grand Order』では自身の攻撃力を上昇させ、クリティカルスターを獲得する効果だが、代わりに防御力がダウンしてしまう。

真名:ジル・ド・レェ

ジル・ド・レェ。15世紀フランスの貴族にして軍人。かの童話『青髭』のモデルとなった人物。誰よりも神を求めた「聖なる怪物」。

百年戦争において聖女ジャンヌ・ダルクと共にオルレアンを奪回、「英雄」として讃えられる。深い信仰心の持ち主であり、芸術を愛した男。
彼は軍人として最高の栄誉である元帥の称号を与えられたが、戦後では自らの領地にて近隣の少年を次々と拉致しては凌辱・惨殺するという所行を繰り返し、殺人鬼として処刑されてしまう。

なぜ彼が魔道に堕ちたのか――それは、聖女ジャンヌ・ダルクの存在にあった。
彼女はジル・ド・レェにとって全てと言ってもよく、この腐敗した現実にあって唯一無二の救いであり、同時にジルにとっては神が実在する証だった。

――だが、現実は彼の運命を狂わせるほど苦かった。そのジャンヌが異端として処刑されたことで深い絶望を味わい、神を見失う。
それから彼は闇に堕ち、残虐行為を重ねたが、それは悪徳を罰する筈の神はしない事を証明する手段でもあった。

最初は彼の友人であり、パトロンであったフランソワ・プレラーディとともに、財政難を賄うための金策として錬金術に手を出したが、いつしか当初の目的を見失い悪魔の召喚に傾倒するようになる。
そして、彼は処刑される事となるが、それは金策のために領土を敵国に売り渡す可能性を危惧され、領地を没収する口実としてその残虐行為と涜神への糾弾を断罪されたモノだった。

神への信仰心が深すぎたが故に、神を呪い貶めることに取り憑かれたジルは、こうして神に裁かれることなく破滅した。

――過去は決して変わらない。如何に優れた武人で国を救った英雄であっても、殺人鬼としての所業を覆すことはできない。
それでも彼は永遠に償いを求め続けなければならないのだ。

関連

青髭
フランスの詩人シャルル・ペローによる童話及び登場人物。
開けてはいけない部屋の中は大量の女の死体がぶら下がり、床と壁も血まみれという凄惨なモノとなっている。
その女性たちこそ、青髭に殺された過去の妻達であり、青髭に婚約された娘もそれを知られた事で殺されかけるが、駆けつけた兄達によって助け出され、青髭は殺害された。

登場作品と役柄

Fate/Zero
マスターともども聖杯戦争そっちのけで市民の虐殺、セイバーへのストーカー行為に明け暮れる。
Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
龍之介の同居人。セイバー店長を自分の好きなゲームのヒロイン・ジャンヌと勘違いして熱烈にストーカー行為を繰り広げる。
店内に頻繁に出没する謎の生物「海魔ちゃん」はやはり彼が召喚しているらしい。
とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
龍之介と共に最高のアート環境と材料を求めて、聖杯温泉に出発。花札勝負なのに、彼らの行先には屍しか残らない。
Fate/Ace Royal
英霊カードの一枚として登場。基本的に「大海魔」をメインに押していくスタイルになる。「キャスター」は道具作成スキルが自動的に死ぬことになるので避けるのが賢明。意外な事にセイバー・ランサー・ライダーの適性を持ち、原作通りにするくらいならこれらの方が遥かに有用。
特に「ライダー」だと、大海魔の攻撃力を生かしながら反撃を受けずに相手を捻じ伏せられる。この場合ジルは大海魔の上に乗っかっているのだろうか?
Fate/Apocrypha
最終決戦において赤のキャスターによって召喚された。
コハエース
たまに登場してはセイバーをイラッとさせたり、ジャンヌソムリエとして他のセイバー系ヒロインにダメ出ししたり、エルフ耳の人妻 を悔しがらせたりする。
戦車男
「英霊の座」スレ住人。犯罪者1号。戦車男に対し、もはや犯罪教唆としか思えない恋のアドバイスを送る。
ちびちゅき!
総合芸術研究同好会所属。橙子の造形美を極めた技術に惚れ込み、龍之介と共に弟子入りする。
カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
コスト:600 / 戦闘力:C / 突破力:D / 移動力:E / 体力:D / 忍耐力:D / リキャスト:B
Fate/Grand Order
キャスター(イラスト:Azusa氏)とセイバー(イラスト:真じろう氏)の2つのクラスで参戦。レア度はどちらもR(☆3)。キャスターVerは第一章をクリアした後にガチャに追加される。

人間関係

Fate/Zero

雨生龍之介
聖杯戦争中のマスター。美学・哲学・芸術面でお互い共感するものがある。
セイバー
彼女の正体を、生前憧れたジャンヌ・ダルクであると勘違いしている。
その勘違いが元で彼女にストーカーじみた妄執を見せる。

Fate/Apocrypha

ジャンヌ・ダルク
英仏百年戦争の英雄であり、麗しの聖処女。彼女に崇拝に近い感情を抱いていた。
彼女の悲惨な最期から、彼は神に絶望し、殺人鬼へと堕ちて行く。が、『Fate/Apocrypha』では…?
『Fate/Zero』アニメ版では『Apocrypha』のデザインで登場している。
『Grand Order』にて生前の自分、そしてサーヴァント・キャスターとしての自分が彼女と再会するが…。

Fate/Grand Order

ジャンヌ・オルタ
ストーリー第一章にて彼が従う、竜の魔女となったジャンヌ。
フランスと神に絶望し、破壊の限りを尽くそうとしている為精神が汚染されているジルとは非常に仲が良い(彼なりに心配したジルに対し「いつまでも愚かだと殺すわよ」と言われたりもしているが)。
臣下として献身的に仕え、支える。彼女こそが神罰の体現と信じて。
謎のヒロインX
イベント『セイバーウォーズ』にて、宇宙船の部品をめぐって敵対した相手。
好みにドストライクな「ボーイッシュな少女」であったために熱視線を向けている。

ちびちゅき!

蒼崎橙子
彼女の造形美に惚れ込み、龍之介ともども弟子入りする。
ありすアリス
3巻表紙では水着姿の彼女達を目を輝かせて見つめていた。……おそらくは性的ではない、もっと危険な意味で。

その他

セイバー (EXTRA・赤)
度々出会うセイバーのそっくりさん。
だが一目で、彼女がジャンヌではないと看破。地獄のアーティストとしては、それなりに尊敬している。
モードレッド
コハエースで出会った、セイバーのそっくりさん。
もうキャスターにとっては論外らしく、彼女に対する評価は「ハッ」という嘲笑と憐憫が混じった一言に集約されている。
彼女達以外にもキャスターはジャンヌのそっくりさんを知っているらしいのだが……
赤のキャスター
『Apocrypha』では彼によって召喚された。

生前

フランソワ・プレラーティー
生前パトロンをしていた友人。
史実では詐欺師として知られており、「クトゥルフ神話」では邪教の魔術師である。
ジルは彼の事を「友人」だと思っているようだが、プレラーティーがジルの事を実際どう思っていたかは不明である。
フランチェスカ
ジル(セイバー)曰く、彼女で懲りた為に少女には興味が無くなったとか。
やっぱり彼女と同一人物なのであろうか。そして、一つ上の人物とも同一人物なのであろうか。

名台詞

Fate/Zero

「――怖がらなくていいんだよ。坊や」
「立てるかい?」
「さぁ坊や、あそこの扉から部屋の外に出られる。
 周りを見ないで、前だけを見て、自分の足で歩くんだ。――ひとりで、行けるね?」
 ――(子供を殺害する)――
「恐怖というものには鮮度があります」
「怯えれば怯えるほどに、感情とは死んでいくものなのです。
 真の意味での恐怖とは、静的な状態ではなく変化の動態――希望が絶望へと切り替わる、その瞬間のことを言う。
 如何でしたか? 瑞々しく新鮮な恐怖と死の味は」
初登場時。この台詞に龍之介は心を奪われ、キャスターの事を心の底から慕うようになる。
なお、子供を殺害したこの手口は実際に行った行為を再現したものである。
「許さぬ……思い上がるなよ匹夫めがァ!!」
VSランサー。匹夫とは「身分のいやしい男、または、道理をわきまえない男」のこと。
……キャスターの言う道理って……
「何をぼそぼそ囁いているのです? さては末期の祈りですかな?」
「さあ、恐怖なさい。絶望なさい! 武功の程度だけで覆せる“数の差”には限度というものがある。
 ウフフ、屈辱的でしょう? 栄えもなければ誉れもない魍魎たちに、押し潰され、窒息して果てるのです!
 英雄にとってこれほどの恥はありますまい!」
セイバー、ランサーを相手に怪魔の軍勢で包囲した時の台詞。
キャスターの残虐性だけでなく、生前は元帥であっただけに、確かな戦術を心得ていることが伺える。
だがこの後に、匹夫とこき下ろしたランサーに一杯食わされることになる。
「ご期待あれリュウノスケ! 最高のCOOLをご覧に入れましょう!」
アニメ版で追加された海魔召喚直前の2人の様子。
夕焼けをバックに心を通わせてお互いを呼び合う姿は大変微笑ましい。
無論、これから彼らがやろうとしていることを知らなければの話だが……
「結末が恥辱と憎悪に染められどんなに貶められたとしても、あの日の記憶は、過ぎし日の栄光だけは、私の胸の内に刻まれていた。
 いかなる神にも運命にも奪えない、穢されない、あの光だけは――」
原作では地の文だったが、ドラマCD版では台詞に変更(内容は踏襲されているが、文章は新たに書き起こされている)。
「約束された勝利の剣」によって消滅する寸前、どのような悲惨な末路を迎えようとも、ジャンヌと共に得た光が確かに存在していたことを思い出す。
第五次聖杯戦争でセイバーが得た答えにも似ているのは皮肉と言うべきなのだろうか。
ちなみに、この時に幻視した光景が彼の救いになった事が「アインツベルン相談室」で語られている。

とびたて!超時空トラぶる花札大作戦

「そして着ているローブも同じブルー。
 これはもう仲間と見て間違いないかと。
 むしろ……貴方、私の2Pカラーですかな?」
EXTRA陣営シナリオにて共通点が多いキャス狐を自身の2Pカラー呼ばわりする。
余りの屈辱に、言われたキャス狐は怒るのを通り越して泣きそうになっていた。
「……………違うのですよねぇ。金髪ショートで男装をしているからジャンヌ、というワケではないのです。
 そこの貴女、チェンジです。 
私生活を改めてから出直してきてください。」
同上。赤セイバーをジッと見つめて、ジャンヌと勘違いしているのかと思いきや、すぐに別人と看破してこう言い放つ。
彼なりの基準があるようだが、それにしてもあまりにも扱いがぞんざいである。
ちなみに彼女の真名を見抜いており、これは彼の保有スキル『芸術審美』の効果と思われる。本編で活躍の無かったこのスキルが漸く日の目を見た。
「彼女こそ我らの先達の一人。
 見る者、聞いた者を全て地獄に叩き落とすほどの異形のアートを造り続けた悪魔の皇帝。
 そうでしょう第五代皇帝殿? ジャンヌを失う前の私では理解できなかったが、魔道に落ちた今の私なら分かります。
 歪な物、おぞましい物を創造し、市民たちを恐怖で縛り付けようとした貴女の政策――まさに、まさにジャイアニズム!
 私のジャンヌそっくり隊には加えませんが、貴女の人生はリスペクトします! いざ、ご教授願いましょう!」
同上。赤セイバーの真名を即座に看破して。
もう色々とツッコミ所が多すぎる上に、酷過ぎる評価である。当然、赤セイバーは大激怒。
赤セイバーの生前の評価に関しては間違いだらけなのだが、実は漫画版で彼女がセネカに披露した彫刻は、クトゥルフ系の怪物に見える……。
「イヤですね、こういう生臭い人間関係は」
キャスター陣営ルート。ランサー陣営と出会い3人の関係性を垣間見ての感想。血生臭い陣営が人間関係が生臭い陣営に呆れていた。
「ジャンヌゥゥゥゥッ! ジャンヌ、ジャンヌ、ジャンヌジャンヌ、ジャアアアアアアアアアアンヌ!」
同上。最終決戦でセイバーと出会って嬉しさのあまり発狂。声優さんの演技が凄い。
「ふむ。彼女の娘ならば、どこの美術館に展示されてもおかしくない芸術品として賞賛されるでしょうね」
同上。アイリに娘がいると知り目をキラキラさせ食い付いた龍之介に賛同する。しかしどんな美術館なんだ。
「『人の嫌がることをやってはいけない』など、幼子でも分かる理屈であろうに……!」
正論だが、誰もが思うだろうお前が言うな と。

コハエース

「ジャンヌとか好きだから」
TYPE-MOONエース付録の体験版のみを参考にした『まほよ』レビューの回、「坂の上の屋敷には二人の魔女が……」というフリに反応してエルフのそこそこな年の奥様と共に登場。女ですらねーぞ!
なお、セリフの元ネタは『あずまんが大王』の木村先生。

お願い!アインツベルン相談室

「これは失敬。蠕動する生肉の感触に当てられ、つい、シラノ・ド・ベルジュラックの真似事などしてしまいました。
 いやはや、やはりこの手の話術はリュウノスケがいないとうまくいきませんねぇ」
いきなり弟子ゼロ号に「拷問や生贄に興味はおありかな?」と声をかけて。彼の中では口説き文句に属するらしい。
あと、シラノ・ド・ベルジュラックと違って大きいのは鼻ではなくて目だろうというのも禁句である。
「こたびの聖杯戦争は最初から最後まで私の望むもので満ちていた。悩みなどありえようか」
「最期には見失った光すら取り戻した。私はパーフェクトに幸福なのです。」
龍之介共々好き勝手した結果ハッピーエンドを迎えたまさに勝ち組の台詞。
他の陣営がそれぞれの事情で悪戦苦闘して尚悲惨な末路を迎えてばかりの本作で、ある意味一番幸せな終わり方をしたといえる。
「その彼女の魂が煉獄にいるのなら、私が救い行かず誰が救うというのです!!」
自分は救われたが、ジャンヌが果たして救われたのか?という事が気がかりで、ただでさえ出てる目がますます出てくる勢いで彼女を語る。
「い、いまのは、飛び出しがちな私の眼球を隙あらばいさめてきた、ジャンヌの目つぶし…!」
隙あらば目つぶし!?意外と過激な聖少女。
「お世話になりました、お嬢さんがた。 このジル・ド・レェ、英霊の座に戻ったのち、かならずやジャンヌと再会してみせましょう!」
相談室から立ち去る際に。何というか、別人のように穏やかである。そして彼の願いは、別の世界にて果たすこととなった…。

Fate/Grand Order

キャスター

「またまたお目にかかれましたなぁ、転生せし第二のジャンヌ。再会の記念です。このタコのごとき海魔を食べるのです」
セイバー所持時のマイルーム会話。…それは食えるのか?というか、食っていいもんなのか?
「ん~、何か違うのですよねぇ……金髪で女騎士ならよいというワケではなくて……貴方には清楚さ、可憐さ、慎ましさ、清らかさが足りないというか……無いというか……」
こちらは赤い方のセイバー所持時のマイルーム会話。にしてもひっでぇ言われようである。
「我が主よ!貴方は神か!貴方こそ神か!よくぞ……よくぞ私の前に彼女を招き寄せて下さいましたァ!」
そしてジャンヌを所持している場合のマイルーム話。旦那が嬉しそうで何よりです。
「最高のCOOLをお見せしましょう!」
「この匹夫めがァァァ!!」
前者は宝具使用時、後者は被ダメージ時の台詞。いずれもFate/Zeroの台詞を彷彿させるものとなっている。
「……お優しい。あまりにお優しいその言葉。しかし、ジャンヌ。
 その優しさ故に、貴女は一つ忘れておりますぞ。たとえ、貴女が祖国を憎まずともーー
 私は、この国を、憎んだのだ……! 全てを裏切ったこの国を滅ぼそうと誓ったのだ!」
「貴女は赦すだろう。しかし、私は赦さない! 神とて、王とて、国家とて……!!
 滅ぼしてみせる。殺してみせる。それが聖杯に託した我が願望……!
 我が道を阻むな、ジャンヌ・ダルクゥゥゥッ!!」
第一章ラスト。聖杯の力で竜の魔女を生み出し、フランスと人理を焼き尽くそうとした男の、悲しすぎる慟哭。
これまでの物語で積み上げられてきたジャンヌとジルの関係からすればあまりにも道理すぎる動機である。

セイバー

「今こそ進軍の時!」
「『 神聖たる旗に集いて吼えよセイント・ウォーオーダー』!」
宝具選択&発動。自身の攻撃力を上げ、防御力を下げる。
「やはり、貴女は……。いや、それでも。死してなお、この国を……!」
「赦して欲しい、ジャンヌ・ダルクよ!我々は、フランスは、貴女を裏切った……!」
「おおおおお……!」
第一章終盤。死した聖女との再びの逢瀬。フランスを襲った邪竜達も、蘇った二人のジャンヌ・ダルクも、泡沫の夢であると薄々感づいていた。
そして口にした言葉は、彼女への謝罪。悔いても悔い切れない慟哭とともにフランス陸軍元帥は戦友にして、恋い焦がれた聖女の前で泣き崩れた。
「マスター、どうか一つだけ。……私が壊れた暁には……その令呪で、命を奪ってください」
マイルームにて聞ける彼の悲痛な想い。彼のイラストも霊基再臨を繰り返すたびに徐々に闇に染まっていく様が伺える。
「子供達は好きですとも! 彼等の笑顔こそ、我等の支えです」
同じくマイルームにて効く事の出来る台詞。その言葉には邪気は無く、笑顔を見せてくれる。
「聖女について? ああ、語っても問題無いですが、三時間ほど暇はおありですか?」
絆レベル4にて聞ける台詞。歪んだ後も、前も、聖女に対する想いは変わらぬ様子。

メモ

  • クトゥルー神話に登場するタイプの異相の持ち主。なお、インスマウス顔もしくはインスマス顔という名称は、他のクトゥルー関係と同じく作中では使用されていない。
    • 最初からインスマウス面だったわけでなく、邪教の知識(宝具)の影響でこのような容姿になっているが、「アインツベルン相談室」では昔から眼球が飛び出しやすい体質だったと自ら語っており、その度にジャンヌが目潰しをして元に戻していたとかなんとか。
    • 「Fate/Zero material」では昔の顔のデザインも確認できる。また、異相たらしめているのはその双眸によるところが大きく、目を細めて笑みを浮かべた顔は、むしろ優しいとすら言える顔になっている。
  • 宝具「螺湮城教本」もクトゥルー関連。螺湮城(らいんじょう)とは中国語で「ルルイエ」のことを指し、螺湮城教本とはクトゥルー神話に登場する架空の書物「ルルイエ異本」の別名。「ルルイエ」とは旧支配者の一柱であるクトゥルーが封印されている場所であり、海底にあるとされている。
    • オリジナルの中国語版(架空の書物なので、あくまで「そういう設定」である点に注意)は人皮で装丁されているとされており、この宝具もそれに倣ったのか同じく人皮で装丁されている。さらに表紙にデスマスク、背表紙に美少年の裸像の飾り付けがされており、かなり悪趣味なデザイン。
    • 「螺湮城教本」はルビの通り、本来の持ち主は魔術師フランソワ・プレラーティーである。ジルの朋友であり導師であった彼の宝具だが、キャスターのクラス固有スキル「道具作成」を代償にして再現された。しかしプレラーティーが所持していたのはオリジナルではなくイタリア語版、それも部分的な翻訳を行っただけのものだという。つまりキャスターが使っているのは「ルルイエ異本」を何度も劣化コピーした物に過ぎないのだが、それでも神秘性が極めて高いランクA+になったのは、神霊級を呼び出せる聖杯もかくやという礼装を原典としているからだろう。
    • キャスター自身はあくまでプレラーティーのパトロンであって、本来「魔術師」のクラスたりえない。このイレギュラーは第三次の影響によるものである。
    • ちなみに、本家のルルイエ異本は、本作品の著者である虚淵氏の所属するニトロプラスが発売しているゲーム『デモンベイン』シリーズにも登場している。もともとニトロプラスの作品のいくつかはクトゥルー神話が反映されているものがあり、Fate/Zeroにクトゥルーが絡むのはもはや必然であった、といっても過言ではないかもしれない。
      一応、作中ではTYPE-MOONに配慮してかクトゥルー神話の直接的な用語は登場せず、「異界の邪神」などと表現されている。
  • 宝具特化型のサーヴァントで、海魔の召喚・使役しかできないように見えがちだが、龍之介の「作品」がすぐに死なないように処置を施したりなど、別の魔術を使う場面もある。これも「螺湮城教本」の力で、この宝具は海魔の召喚・使役しかできないわけではない。
    • 「道具作成」のスキルが失われているにも関わらず、遠見の水晶球を使い、龍之介に子供を操る腕輪を与えてもいる。どうやってこれらの道具を入手したのかは不明。
      「螺湮城教本」の力で単なる道具にそうした魔力を付与しただけなのか、それとも龍之介の実家に隠されていたものなのかは考察の余地がある。
  • 宝具「螺湮城教本」から召喚された大海魔は、セイバーの蛸(タコ)嫌いの原因となったと言われている。
    尤も、もともと彼女の出身である英国(及び西欧諸国)で蛸は「悪魔の魚」と呼ばれるなど、忌み嫌われる存在。大海魔が全ての原因なのか、もともと忌避していたものを更に嫌うようになったのかは、判断し難い面がある。
    • 余談ながら、ライダーが蛸に抵抗がないのは、地中海に臨むギリシャでは古来より蛸を食べる伝統的な食文化があるため。だからと言って、いくらライダーでも大海魔を見て「茹でて食べたら美味しそうだ」などとは言うまいが。
      Fate/Grand Orderではマイルームでセイバーと会話する際に海魔を食事に勧めたりする。
    • 尚、クトゥルーの落とし子は蛸によく似た姿と描写される他、蛸と同じく茹でて食べることができるらしい。
  • マスターである龍之介は、魔術回路という適性こそ有しているものの、魔術師としての能力は皆無である。にもかかわらず彼が現界し続けることに支障をきたさなかったのは、「螺湮城教本」自体が魔力炉を内蔵していたためである。また描写は無いが、虐殺した子供たちから「魂喰い」をして魔力を補っていた。
  • 第四次聖杯戦争ではキャスターを召喚するマスターが不在だったことに加え、龍之介が殺人鬼である事から呼び出されたが、『Grand Order』でのマテリアルによると、「『青髭』としての悪名が世界に知れ渡っているのか、ほとんどの聖杯戦争においてジルはセイバーではなく、キャスターで召喚されることが多い」ことが明かされた。
  • 本来は元帥にまでなった騎士。虚淵氏に「騎士ということで、結構ガタイは良いです」と評されている。ただし、「彼の一番の凄さは武勇よりも財力ですからね~」とのこと。実際、彼の財の総量は国庫が百年戦争によって消耗していたこともあり、当時のフランス王室のそれを上回るほどだったともいう。彼が異端として告発された理由も「その財力を国王や教会に狙われた」「黒魔術の資金を得る為にその所領を敵国に売り渡しかねないと思われた」などとする意見もある。
    • 残されている肖像画には騎士甲冑を身に付け、元帥らしい威厳に満ちた姿で描かれているものがある。
  • stay night発売前におけるセイバーの正体についての予想はジャンヌ・ダルクであるとの声が最も多かったとのこと。
    いわば逆輸入の形で彼がセイバーをジャンヌと勘違いするという展開が作中に取り入れられた。
    • セイバーの方はといえば、キャスターの生前の知り合いでないのは当たり前である上に、彼の真名である「ジル・ド・レェ」と、彼の口にする「ジャンヌ・ダルク」の名前自体に心当たりが無かった。
      これはセイバーが未だ正しい意味での英霊ではなく、英霊として時を超えた知識を持っていないため、自身が生きた時代以後に現れた両者の伝承を知らないからである。
  • 最後はセイバーの「約束された勝利の剣」で大海魔ごと粉砕される。
    光に灼かれるその瞬間に、かつてジャンヌ達と外敵を打ち破り、ランスにて成し遂げたフランス国王の戴冠式のことを思い出す。この時に流した涙は彼に残された僅かな良心と人間性だったのかもしれない。
  • 『Zero』に3人もいる幸運E組の一角。
    しかし最高に相性の良いマスターと巡り合ったのを皮切りに、セイバーとランサーに追い詰められた時にはたまたまケイネスが再起不能になった隙を突いて逃走に成功し、工房がライダーに襲撃された際は龍之介共々偶然外出していたため難を逃れる。
    更に龍之介の言葉により新たな啓示を得るなど、妙に幸運に恵まれている。
  • 一見仲良く見える龍之介とのコンビだが、奈須氏曰く実は全然噛み合っていないとの事。
    事実、互いに殺人を好む二人だがその考え方はかなり異なっており、大量虐殺も元はキャスターだけの案である。
    本編では短期間の付き合いの上にその噛み合わなさが一回りして上手くいったが、召喚直後に龍之介を殺す事も充分有り得たとようで二人の間柄はかなりギリギリの間で動いていたという。これでよく、大してモメずに済んだものである。
  • 龍之介に名乗った「青髭」はシャルル・ペロー作の童話のタイトルで、ジルが主人公のモデルとされているが、一方でイギリス国王のヘンリー八世がモデルだとも言われている。
    また、J・R・Rトールキンはジルが登場した歴史小説に感銘を受けており、彼を「指輪物語」に登場する冥王サウロンのモデルにしたと語っている。
  • アニメ版『Fate/Zero』の第一期EDで生前を描いた一枚絵、モチーフはおそらく『犯罪人ブルターニュのジル閣下・レ男爵・フランス国元帥の処刑執行 1440年10月26日』(フランス国立図書館所蔵)。背景や登場人物を踏襲しながらも、宗教的に配慮している。
  • Grand Orderでは狂気に堕ちる前のジルが登場。……なのだが、霊気再臨を重ねるにつれてカードの絵柄が徐々に不穏なものへと変わっていく。服に血が付き、手には見覚えのある禍々しい魔導書が……。
    • そのほかにも、なぜかバーサーカーのクラススキルであるはずの狂化(しかもEX)を所持していたり。会話を聞く限りそのような感じはないが、スパルタクスや清姫などと同じ例なのだろうか?
  • 『ぐだぐだ茶器集め 地獄変 ~焦熱地獄~』のボスとして登場し、その際の名義は「青鬼 (COOL仕様)」
    • 焦熱地獄とは八大地獄の一つで、殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語に加え、邪見(=仏教の教えとは相容れない考えを説き、それを実践する)を犯した者がこの地獄に落ちるとされている。

話題まとめ

キャスターの口調
活字である原作小説では読者の想像に委ねられているが、ドラマCD・アニメでのキャスターの口調は、非常に独特なものがある。
キャスター役の鶴岡聡氏がラジオにゲストで出演した際に語ったところによると、キャスターの演技は歌舞伎を参考にしているとのこと(正確には歌舞伎と内村光良のコント「ミル姉さん」を意識しているそうだが、ミル姉さん自体が女優の桃井かおりの喋り方のモノマネであるためややこしい事になっている) 。
なお、アニメではあっという間だったが、ドラマCDではキャスターの末期のシーンに長めの尺があてられており、そこでのみ普段とは違う落ち着いた口調になっている。

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