六導玲霞
- 読み:りくどう れいか
- 誕生日:1月9日/血液型:B型
- 身長:164cm/体重:53kg
- スリーサイズ:B90/W62/H89
黒の陣営でただ一人、ユグドミレニアの人間ではない女性。
黒のアサシンのマスター。23歳。
- 略歴
- 元は普通の一般人で、新宿で生活する娼婦。アサシンを召喚しようとした相良豹馬に暗示を掛けられ、同棲相手として利用されていた。
彼女は同棲している状況を愛によるものなのかと考えていたが、豹馬に「ジャック・ザ・リッパー」を召喚する儀式の一環として、殺害されそうになる。
しかし、アサシンが玲霞の『死にたくない』という強い願いに反応して彼女のサーヴァントとして現界し、彼女の治療を受けることで一命を取り留める。
自分の『死にたくない』という願いは既に叶っていたのだが、アサシンの『母親の胎内に還りたい』という願いを叶えるために聖杯大戦への参加を決意。豹馬から剥がされた令呪を転写され、正式にアサシンのマスターとなる。
魔術の才能が皆無なため魔力供給をアサシンに行えず、アサシンが提案した魂喰いを許容。
その後アサシンと共にルーマニアに飛び、暴漢やマフィアを殺戮しながら聖杯大戦の地に向かっている。
のんびり進んでいたが、アサシンが魔術協会から派遣された魔術師という、より栄養価の高い『食料』を見つけたため、シギショアラに逗留していた。だが、アサシンが赤のセイバーや黒のアーチャーの攻撃を受け、警察やマスコミも五月蠅くなってきたことでトゥリファス入りを決める。
トゥリファスでもユグドミレニアの魔術師達を殺戮してまわるが、同時にミレニア城塞への侵入を図る為に魔術師達を拷問して情報収集を行うと同時に、探索の目を回避していた。アサシンの城塞への奇襲が失敗に終わると、再度攻撃を行うリスク、シロウ達に持ち去られた大聖杯、そしてこれまで入手した情報から、ルーラーとユグドミレニア側が立てた戦術を卓越した状況判断によって見切り、彼らの策を逆手に取る妙案を見出す。
そしてアサシンの特殊性を活用してルーラーとジークの目の前に一般人を装って現れ、彼女を「アサシンの攻撃に巻き込まれた一般人」と思い救助しようと近づいたジークを射殺した。
- 人物
- ほんの少し憂いを帯びた表情を浮かべただけで、男を狂わせるような蠱惑的な女性。声も浮世離れした甘い響きがあり、すれ違っただけで声を掛けようと思う男達が大勢いるが、皆彼女の瞳に宿る狂気めいたものに気圧され、諦めている。
娼婦ではあるが、赤のアサシンのように自分から男を誘う悪女的なタイプではなく、ぼんやりした性格をしている。
自分を「おかあさん」と呼び、懐いているアサシンを我が子のように可愛がっており、彼女との相性は最高。
娼婦という職業から低く見られがちだが、昔はそれなりに裕福な家庭で生活していたらしく、実は無学な女性ではない。ルーマニア語を流暢に話し、暴漢を尋問した際、きちんと会話している。また「チャウシェスクの子供たち」というルーマニアの裏の歴史を知っている。ピアノも両親が生きていたころはよく弾いたらしいが、今でも自信を持って弾けるのは「トロイメライ」などの有名な数曲程度らしい。
人としての倫理観は持ち合わせてはいるもののそれも破綻気味で、幼い頃から家族はおらず、養子に出された先では虐待を受けていた。そのせいかもともと生きるという自覚が希薄で、自分の命にも他人の命にも価値を見出せていない。そのため彼女は罪にならず、自分以外の誰も悲しまないのならば人を殺すことにまったく躊躇がない。
今までは流されるように生きてきたが、アサシンと出会い、彼女の母親として日々を過ごすうちに「幸せになりたい」という願いが生まれた。
アサシンにとっては彼女はもう本物の母親であり、彼女の方もアサシンを自分の娘として扱っている。
- 能力
- 決断してからの行動が異常に速い。豹馬の処理の手際もそうだが、アサシン召喚からたったの数日で身支度を整え、ルーマニアに飛んでいる。
間違いなく一般人であり日常に「死」の気配などなく、特殊な戦闘術を身に付けている訳でも無く、魔術師や退魔の家系に連なる人物でもない。それなのにアサシンによって目の前で男達が生きたまま臓物を引きずり出され、頭を飛ばされ、人の死を直視しても全く動じない。
魔術師である凛やウェイバーが惨状を目撃した際の反応を考えても、彼女の行動力や精神力は異常と言う他無い。
精神力のみならず、深い洞察力と高い戦術眼を併せ持ち、ユグドミレニア側の作戦を看破した上に自分の正体が知られていない事を最大限に活用してジークを罠に嵌めるなど、一般人とは到底思えない高度な戦術を駆使する。
ジークを射殺した際は、標的に不信感を感じさせないためとはいえ、髪を染めたり化粧などの変装に加えてアサシンの宝具である硫酸の霧をわざと浴びるという念の入りようで、目は充血し唇から血を流すなどの激痛に耐えながらも心臓を狙った銃撃を成功させている。
また動物的直感にも優れ、彼女が拠点を放棄した直後に、敵の調査の手が及んでいた。彼女達の存在と情報がシロウ達にもユグドミレニア側にも把握できていなかったのはアサシンの働きだけでなく彼女の天性の才能によるところも大きい。
登場作品と役柄
- Fate/Apocrypha
- 「黒」のマスターとして登場。
人間関係
- アサシン
- サーヴァント。主従というより、「親子」。
- 相良豹馬
- 操られていた魔術師。
別に憎んでいる訳でも、悲しんでいる訳でもなく彼の令呪を宿していた手首だけ記念に残し、アサシンがミイラ化させた後、粉々に砕いてゴミ袋に入れて捨てた。
- ジーク
- 彼を罠に嵌めて射殺した
名台詞
- 「——生きたい。」
- 生きる事に希薄だった玲霞が、死の間際初めて生きることを切望する。その願いはサーヴァントに聞き届けられ、マスターとして認められた瞬間だった。
- 「ええ、そうよ。
きっと私は貴方のことを愛していたわ。
でも、裏切ったのだから仕方ないわね。本当に仕方ないの。
ごめんなさいね、貴方のことは、大切な思い出にして生きていくわ」 - 自らを裏切り、殺そうとした豹馬への最後の言葉。静かな狂気を込めて別れを告げる。
- 「とても綺麗なお家よね。 でも、駄目よジャック。 ここは魔術師さんのお家でしょう?
……通信網が破壊されたなら、まずはそこを調べに来るわ」 - 魔術師を惨殺し、「ここなら住み心地がいいかな?」と提案したジャックに。
「母」としての暖かく優しい言葉遣いと、「マスター」としての冷静かつ冷徹な意見。
ジャックが玲霞を「おかあさん」と「マスター」が重なり合った声で呼ぶのに呼応しているかの様な反応である。
- 「……ええ……“信じているわ”」
- 哀れな犠牲者の耳元で囁いた、甘く、ねっとりとした、蜜のような声。
メモ
- 短編の時と小説版とではだいぶ印象が違っていて、奈須氏によれば、ちょっと年齢が上がり大人っぽくなっているという。
- 東出氏によれば、「Zero」で言うところの龍之介枠。
- 彼女がアサシンと出会った経緯は短編と同様と言われているが、「第四次聖杯戦争」という言葉が出てくる、アサシンを召喚しようとしていた魔術師がユグドミレニア一族ではない、「相馬豹馬」という魔術師であったことなど、いくつかの変更すべき点がある。後に豹馬もユグドミレニアの一員である事が判明し、本人の言も合わせれば諜報・情報工作に所属し「ユグドミレニア」の名を隠していたらしい。
- その容姿から客に困ったことが無く、金銭的には結構余裕があり、ルーマニアに行く位どうということは無い。また路地裏を歩いていれば、暴漢が勝手に寄ってくるので、アサシンのエサに困ることも無い。
- 「精神汚染」ランクCのアサシンと意思疎通ができるため、Cランク相当の精神汚染を保有している可能性がある。だが、アサシンの「精神汚染」はマスターが悪属性を持つと精神的に崩壊していく危険性があり、現在のアサシンの安定具合を見ると、彼女の属性は少なくとも「悪」ではないと思われる。
- その一般人を完全に超越した能力は、ファンの間では「有り得ない」を通り越して、「玲霞さん凄い」と称賛されるほど。
実際の所、TYPE-MOON に登場する一般人は大抵「神秘を会得していないだけの、明らかに一般的じゃない人」なので、彼女が隠されたスペックを発揮しても余り違和感がなかったりする(純然たる一般人はモブかギャグキャラぐらい)。型月の「一般人」って一体……。