ギルガメッシュ

2016年10月26日 (水) 15:07時点におけるY.Y. (トーク | 投稿記録)による版 (全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム))

アーチャー

  • 真名:ギルガメッシュ
  • 身長:182cm / 体重:68kg
  • 出典:シュメール文明、ギルガメシュ叙事詩
  • 地域:バビロニア、ウルク
  • スリーサイズ:B94/W73/H93
  • 属性:混沌・善 / カテゴリ:天
  • 性別:男性
  • イメージカラー:金
  • 特技:お金持ち
  • 好きなもの:自分、権力 / 苦手なもの:自分、蛇
  • 天敵:(第四次)なし / (第五次)アーチャー
  • CV:関智一 / キャラクターデザイン:武内崇 / 甲冑・武器デザイン:こやまひろかず
  • 設定作成:奈須きのこ

弓兵」のクラスのサーヴァント。なお、『Fate/EXTRA CCC』においては「我にクラスなどない」として、クラスは「なし」となっている。
第四次聖杯戦争第五次聖杯戦争月の聖杯戦争偽りの聖杯戦争で参加。実は聖杯戦争参加回数が1番多い。

略歴
『Fate/Zero』では「この世で最初に脱皮した蛇の抜け殻の化石」を触媒に遠坂時臣によって召喚された。聖杯そのものに興味はなく、自身の財を奪おうとする者を潰すための参加。時臣が見せる臣下の礼は認めていたが、采配は気に喰わなかったようで、ついでに報いてやるか程度の情。むしろ、彼の弟子であり、己の歪な本性に苦悩し続ける言峰綺礼の方に興味を抱き、後に時臣を殺害した綺礼と主従ではなく同盟に近い形で契約を結ぶ。
元々他の英霊など相手にもしていなかったが、聖杯問答で騎士王征服王と問答を行い、かつての朋友であるエルキドゥを連想させるセイバーに邪な思いを抱くと共に、ライダーの王道にも関心を持つ。
最終日、ライダーを全力で相手するに相応しい敵と認め、「王の軍勢」を「天地乖離す開闢の星」で粉砕。直後、「王の財宝」の連射を耐え抜いて眼前に迫った彼に称賛を贈り、自らの手で直接葬った。聖杯降臨の場では辿り着いたセイバーを圧倒した上で求婚したが拒絶され、予期せぬ攻撃により「この世全ての悪」に汚染された聖杯の中身を浴びてしまう。しかし、魂の強さからそれを呑み干して受肉、以来10年に渡って現界し続けていた。
『Fate/stay night』終盤では、存在しないはずの8体目のサーヴァントとしてに姿を見せ、Fate及びUBWルートでは最後の敵として衛宮士郎たちの前に立ちはだかり、圧倒的な力を見せつける。だがHFルートでは、士郎達も知らない間にあっけない最期を遂げてしまう。
『Fate/strange Fake』では「黄金郷の『蔵』の鍵」を触媒に召喚されたが、召喚者がティーネに殺害され、令呪もティーネに移ったことで彼女がマスターとなり彼自身もそれを承諾した。
当初は偽りの聖杯戦争への興味も薄く、若返りの秘薬を飲み干して静観を決め込もうとするが、唯一無二の友・エルキドゥが召喚された事を察してからは一転して上機嫌となり、最初から全力を出して挑むことを決める。
『Fate/EXTRA CCC』では主人公と契約している。128騎という多数のサーヴァントが参戦している月の聖杯戦争においては「参戦すれば優勝が確定してしまう」とされている。そのため月の聖杯戦争の趣旨である「マスターのトライアル」にはそぐわないサーヴァントであり、ギルガメッシュ本人もムーンセルに大人しく従うような英霊ではなかった為、月の裏側に存在する「宙の外」に封印処理されていた。そこに落ちてきた主人公に気まぐれで話しかけ、令呪3画を代償に一時的に契約する。
最初は「これは貴様の戦いだ」というスタンスを崩さず、マスターの観察と静観に徹していたが、事態の全貌を把握すると共に主人公の人格を得難いものと感じていき、とある出来事をきっかけに主人公の存在を認め、共に全力で戦うことを決める。
人物
一人称は「我(オレ)」。金の鎧を纏い、全てを見下した態度をとる金髪と赤目の男。
傲岸不遜で唯我独尊、おまけに傍若無人。自らを「唯一無二の王」と称してはばからない。その性格とそれに見合うだけの実力を有するがゆえに常時の慢心と油断を生み、「慢心王」とも評される。
好戦的かつ残忍な人物で、自身の我欲で周囲にどれだけ被害を与えても頓着することはない、サーヴァント屈指の危険人物。興味のない相手の言葉は軽く無視し、気に障った者(敵意を持って攻撃してきたり、暴言を吐いた場合)はそれが聖人であろうが自身のマスターであろうが、一切の容赦なく命を奪う。そもそも彼にとって命とは、「今すぐ死ぬ」か「いずれ死ぬ」ものであり、たとえ賢者であろうと彼が「今すぐ死ぬべき命」と認めれば抹殺する。
ただし堂々と物を言う人は嫌いではないらしく、興味がある者、認めた者が相手の場合は耳を傾ける他、それに「価値がある」と認めれば、彼の自尊心をよっぽど傷つけない限りは軽口や恥知らずな願いであっても笑って許す度量を持つ。子供にも意外と好かれていたりする。
かつてこの世の全てを統べ、全ての宝を所有した最古の王ゆえの超絶な我欲の持ち主であり、聖杯戦争に参加した理由も「自分の宝(この世=自分の庭に存在する宝はすべからく自分のモノ)である聖杯を勝手に奪い合うなど許さない」という理由であり、聖杯そのものには全く興味がない。
裁定者である彼にとって人間とは自身の「愉しみ」と語っており、言峰やセイバーといった、聖杯戦争の参加者にこそ興味を持ち、第四次聖杯戦争でセイバーに興味を持ち、求婚した。
能力
能力・強みを一言で言うならば「金に飽かせた最強装備」。別名「チート」。世界の全てを手中に収めた彼はあらゆる宝具の「原典」の所有者であり、それらを「王の財宝」から自由に呼び出し扱う。
一撃一撃が必殺の威力を持つ原点宝具を、遠距離からさながら絨毯爆撃のように雨あられと撃ち込む戦法を好み、その火力は平均的なサーヴァントの五倍以上とされる。また全ての原点を持つが故にあらゆる相手の弱点を狙うことができ、通常のサーヴァントでは勝ち目がほとんど存在しない。
第四次聖杯戦争では真面目に戦えば聖杯戦争を一夜で終わらせられる力を持ち、敵無しの存在とされているが、その性格ゆえに、全力を出すことは極めて稀。そうした性格ゆえに、格下と見下す相手から思わぬ反撃を受けて敗北することが多い。だが相手の実力を見極める眼力・洞察力は恐ろしいほどに優れており、力を認めた相手にはそれ相応の慎重さで対応する。
あらゆる宝具の原典を所持し扱うが、本人自身の宝具は「王の財宝」と「天地乖離す開闢の星」のみである。他の宝具に関しては所持者であるが、伝説の担い手ではないがゆえに、担い手のように極限まで極め使いこなせるわけではない。また、「王の財宝」から宝具を出す際、引き抜く(撃ち出す)動作が入るため、攻撃までに若干のタイムラグと隙が生じる。加えてステータスで大幅に優っているのに、人間である士郎に一方的に打ちのめされてしまうなど本人の技量も高い訳ではなく、基本的に宝具に頼りっぱなしな性能のため、「無限の剣製」で刀剣宝具を相殺できる上に取り出す工程を必要としない衛宮士郎アーチャー、手にした武器全てを自分の宝具扱いにするバーサーカーは天敵中の天敵。
ちなみに彼にとっては「強さを競うなど凡夫の愚行。元より強さなど計るものではなく、王か、それ以外かの話であろう」と最強の座などよりも「王」としての在り方の方が遥かに重要らしく、自身の力や同ランクの他の英霊達との序列に特別固執はしていない。
また最高位の魔術師が持つ千里眼も持っており、見ようと思えば様々な平行世界の可能性を見ることが出来るが、英霊の記憶や知識は召喚される世界に合わせてアジャストされるように座が調整するため、複数の記憶で混乱することはない。仮に千里眼を使って自分が聖杯の泥に飲まれた世界の可能性を見ても、「そんな世界はありえんな」と一蹴するらしい。

スキル

Fate/EXTRA CCC』で使用するスキル。

風を放つ
宝剣で斬りつけ、筋力ダメージを与える。
嵐を払う
宝斧の縦の叩きつけ、横振りの二連撃で敵に筋力ダメージを与えるスキル。
黄金律
戦闘終了時のサクラメントの入手率が10%上昇するスキル。
エヌルタの灰油
自身の筋力を強化するスキル。
王律権ダムキナ
3ターンの間、ターン終了時にMPを最大MPの10%回復するスキル。
コレクター
戦闘終了時のアイテム入手率が上昇するスキル。
天の鎖(エルキドゥ)
天の鎖で攻撃し、敵に魔力ダメージと麻痺を与えるスキル。
王律権キシャル
使用した手から4手の間、被ダメージを半減するスキル。
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
王の財宝から宝具を射出して攻撃するスキル。
魔力ダメージと二手のスタンを与える。
乖離剣・エア
乖離権エアから赤い暴風を放つスキル。GUARD貫通効果がある……と書いてあるが貫通効果が何故か機能していない。
HP30%未満でなければ使えない使用制限がある。

子ギル

Fate/hollow ataraxia』 にて、若返りの薬を飲み幼年体になったギルガメッシュ。同一人物だが、青年時と比べると別人と言えるくらいに性格が違う。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』でも幼年体の姿で活躍する。こちらは若返りの薬ではなく、サーヴァントではない「クラスカード」という異なる拠り代によって現界した存在として登場。

詳しくは該当ページを参照。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー 遠坂時臣 B B B A A EX 対魔力:C
単独行動:A
黄金律:A
カリスマ:A+
神性:B(A+)
言峰綺礼 B C C B A EX 対魔力:E
単独行動:A+
なし 主人公 (EXTRA) B C C A A EX 単独行動:EX 黄金律:A
神性:B(A+)
コレクター:EX
初期パラメータはオールE。
また、記載のステータスはゲーム内のもので、『EXTRA Material』で耐久B、敏捷Bとなっている。
アーチャー ティーネ・チェルク B B B A A EX 対魔力:C
単独行動:A
黄金律:A
神性:B(A+)
主人公 (Grand Order) B C C B A EX 対魔力:E
単独行動:A+
神性:B
カリスマ:A+
黄金律:A
コレクター:EX

宝具

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)
ランク:EX
種別:対界宝具
レンジ:1~99 / 1~999(CCC)
最大捕捉:1000人
由来:メソポタミア神話の創世叙事詩エヌマ・エリシュ。
ギルガメッシュが「エア」「乖離剣」と呼ぶ、無銘にして究極の剣から放たれる空間切断。厳密には宝具なのはエアの方でエヌマ・エリシュは最大出力時の名称。
エアの回転する三つの円筒が風を巻き込むことで生み出される、圧縮され鬩ぎ合う暴風の断層が擬似的な時空断層となって絶大な破壊力を持つ。かつて混沌とした世界から天地を分けた究極の一撃。空間切断の特性故に対界宝具に分類される“世界を切り裂いた”剣。宝具のカテゴリーにおける頂点の一つとされる。
ダメージ計算は筋力×20、ランダムで魔力の数値もプラスされる。最大ダメージは4000程だが「王の財宝」内の宝具によるバックアップを受ければ、破壊力は更に上昇する。防ぐ方法は対粛清アーマークラスか、同等の破壊力を持って相殺するしかない。その威力は最強の聖剣である神造兵装「約束された勝利の剣」と同等かソレ以上。互いに相殺されながらもなお上回り、セイバーを瀕死の状態にした。
ただ、発動前に発生する吹き荒れる魔力によって、「王の財宝」からの宝具射出攻撃が不可能となる欠点がある。また発動には土地からのバックアップを受けているマスターでも無視できない程の莫大な魔力を必要とする上に、発動後に生じる隙は非常に大きく、セイバーには発動後の隙を突かれて破られている。
『stay night』では主にFateルートでの「約束された勝利の剣」との撃ち合いに使用した。
『hollow』においては暴風で街の一区画を覆い尽しており、無限の残骸を落下させるかのように「無」へと戻した。
『Zero』でのライダーとの決戦では固有結界「王の軍勢」を空間ごと切り裂いた。まず大地が断裂し、その亀裂が時間とともに大地から天にまで延び拡がっていき、切り裂かれた空間を拠り所としていた兵、馬、大地、空といった万物を砂時計の終わりのように崩落させ渦巻く虚無の奈落へと呑み込み消し飛ばした。
『CCC』においては地面に突き刺す事で三層の巨大な力場によって時空流を生み出し、空間そのものを変動させる「権能」に相当する力を発揮する。その威力は、最早一個の生命程度に用いるようなものではなく、世界を相手に使用される領域にあるとされている。紅い風の断層の「天地乖離す開闢の星」とはまた異なった描写になっており、本人曰く「地の理ではなく天の理」との事。神代の「権能」にも含まれる。そのためこれまでのものは「地の理」であったと推測される。ただし「地の理ではなく天の理」との発言は、正確には「貴様には地の理では生温い。天の理を示してやる」であり、乖離剣のみのことなのか、王の財宝(地の理)と乖離剣(天の理)を対比させてのことなのか不明なため、確定ではない。
『CCC』ゲーム内での性能も、「規格外の宝具」の名にふさわしく99999ダメージ(固定)+即死効果というとんでもない威力を誇り、たとえ相手が無敵状態であっても問答無用で即死させる。ただ使用条件が「戦闘開始から5ターン以上経過」と「相手のHPが30%以下」の2つあり、サーヴァント戦以外で目にすることはわざと時間をかけない限りほとんどない。「ギルガメッシュ本人が認めた相手にしか使おうとしない」という部分の再現なのかもしれない。しかし、一回でも条件を満たせば、相手がどんなに全回復しようと発動可能なため、どんな相手にも通用する文字通り「一撃必殺」である。
『Grand Order』ではセイバーとの撃ち合い時のようなモーションで放ち、効果は「敵全体に強力な攻撃+サーヴァント特攻」というもので対サーヴァントに有効。
ただし特攻は「特別な星の力を持つサーヴァント」には無効になる。これはおそらくサーヴァントの属する4つの属性の内の「星」に該当するものと思われ、現在ゲーム内でこれに該当する(特攻が無効になる)サーヴァントはロムルスアマデウスドレイクニコラ・テスラヒロインXの計5名。
なおジャンヌ・ダルク及びスカサハの両名は、他サーヴァントの宝具の特攻効果で星属性のサーヴァントであることが確認されているにも関わらず特攻が発動してしまうが、この二騎に関してはおそらくシステム上の不具合だと思われる。(特にジャンヌはサービス開始当初はこの宝具の特攻が発動していなかった)
ちなみに、なぜかそれと思しきスキルを所持しているアルテラは星属性には含まれていない。
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
ランク:E~A++
種別:対人宝具
レンジ:−
様々な財宝の原典を納めることでその収納した財宝を上回る神秘となったバビロニアの宝物庫と、それに繋がる鍵剣(王律鍵バヴ=イル)。持ち主の蔵と空間を繋げる能力を持つ。蔵も中身も所有者の財の量に準ずるため、何もない人が使っても何の意味もない。
絶え間なく変化する鍵の金型と今もなお増え続ける財宝の目録を瞬時に読み取る智慧を持つギルガメッシュだからこそ使用することができる宝具。
彼は生前自分の蔵に「宝具の原典」を含めた大量の財宝を収めており、王の財宝でそれらを空間を繋げて自在に取り出したり、射出することが出来る。同時展開は一桁から数百本まで可能で連射も出来る。ただし、同時に複数展開して射出するにはそれなりの魔力を要する他、スキル「単独行動」の解説にもあるように、個々の宝物を本格的に使用する場合には、マスターのバックアップが無ければ真価を発揮できない。
『stay night』では主に自身の背後に宝具を展開しているが『Zero』のバーサーカー戦では更に前面に盾を出して防御したり、自分だけでなく敵の周囲を円環状に囲む形での展開も行っている。『CCC』でのGUARD成功及び6手完封で王の財宝を使用する際には「敵の側面に展開しつつ攻撃」「敵の足下に展開しての奇襲」「敵頭上から大量の武具をばら撒き落とす」と、様々な展開方法が可能であるらしき演出がされている。『Fake』では360℃で逃げ場無しの竜巻に例えられる形で掃射することまで可能。
強力な能力だが一度接近されてしまうと連射することが出来ず、直接本人が武器を握って敵に立ち向かわなければならない。宝具と相手の相性を見極めて乗り切ることも十分可能ではあるが、彼自身の技量が余り高くないため、手数や火力が大幅に低下してしまうという大きな弱点がある。また、有利な宝具を出すまでも無いという慢心を誘い易い格下の相手が、万一想定外の力を発揮して懐に潜り込んだ場合には、途端に脆さを露呈する。
「王の財宝」の本体である鍵剣は本編ではFateルートで士郎が「手のひらに収まる程度の、鍵のような短剣」を目撃しているのみでCGや武器項目に登場したことがなく正確なビジュアルは不明。アニメ『Fate/zero』では乖離剣を取り出す時にビジュアルが登場したのだが、手の平に収まるサイズではなくなっている。
『CCC』にて、この蔵の正体が人類の知恵の原典にしてあらゆる技術の雛形であることが判明。ゆえにこの宝物庫には、人類が生み出すものであれば全て、遥か遠い超未来に人類が生み出すものまでも全て保有している、という過去未来の時間軸すら超越した途方もない代物であることが明かされる。
それは比喩でなく文字通り人類が生み出すものであれば「何でも」であり、この宝物庫に存在しないものは基本的には「新人類が生み出す全く別の概念」によるもの、または「別天体の知的生命体の文明技術」によってできたものだけであるとされている。そのため、財宝の総量は既に彼自身にも良く分からなくなっている。
ただしそのコレクションにもやはり限界はあり、セイバーの持つ『約束された勝利の剣』、『全て遠き理想郷』、カルナの持つ鎧『日輪よ、具足となれ』、槍『日輪よ、死に随え』などの宝具に関しては収蔵されていない。バーサーカーの『十二の試練』のような逸話が宝具になったものも存在しないという。
またカルナの槍のような、「何の宝具が原典に当たるかわからない」宝具は、例え収蔵されていたとしても取り出すことが出来ない。
『CCC』では攻撃スキルの一つとして登場。相手に魔力依存のダメージを与えつつ2手分のスタン効果を付加する。が、成功率は中の下と言ったところで信頼性に欠け、キャスターの「天」系スキルのように使うことには難がある。
『Grand Order』では通常攻撃として使用し、アステリオスの斧やレオニダス一世の槍を始めとした、同作に登場する他サーヴァントの武器を射出しているのが確認できる。
原作では射出した宝具は地面に残り続け、回収もされない為、その無尽蔵さをまざまざと見せつけてくれる。アニメ『Fate/stay night』『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』では射出した宝具が消滅するが、劇場版『Fate/stay night - Unlimited Blade Works』では地面に残っており最も原作に近い表現となっている。
アニメ『Fate/zero』では言峰がライダーの宝具に対し「王の財宝と同格、評価規格外(ランクEX)です」と発言しているが、正確には乖離剣エアによる天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)がランクEXであり、王の財宝はランクEXではない。

「王の財宝」内にある宝具

彼が所蔵している物の多くは「宝具の原典」である。以下にあげる宝具の中には、その「原典」としての名称・能力ではなく、派生品・後の伝承について述べているものもあるが、基本的に彼が所蔵しているのはその元になったもの、と考えられる。

乖離剣エア
由来:バビロニア神話(アッカド神話)に登場する知恵の神・エア。
「乖離剣」とも呼ばれる、無銘にして最強の剣。剣というより円柱状の刀身を持つ突撃槍のような形状の異形の剣。そして剣にカテゴリされながら、そのあり方は杖に近い。
三つの石版はそれぞれ天・地・冥界を表し、これらがそれぞれ別方向に回転することで世界の在り方を示し、この三つすべてを合わせて"宇宙"を表している。
銘が存在しないため「エア」というのはギルガメッシュが呼んでいる渾名である。あらゆる宝具の原典を持つがそれらの使い手でしか無いギルガメッシュにとって例外的に彼しか持ち得ぬ剣であり、担い手に相当する。エアに真名は存在しないが、最大出力時の名称「天地乖離す開闢の星」が事実上の真名として扱われている。
「天地乖離す開闢の星」として放たなくても暴風を作り出し使用することも可能。それでもあまりにも威力が高いためUBWルートでは王の財宝による17本の宝具射出攻撃の途中に放たれた風の断層が、まだ自身と標的の間に着弾前に残っていた自分の宝具3つに追いついて破壊してしまった。
エア神とは星の力が擬神化された存在であり、この星を生み出した力の再現が乖離剣エア。他の宝具とはその出自からして一線を画している。開闢、つまり全ての始まりを示す彼の最終宝具とされ、メソポタミア神話における神の名を冠した剣。エア神は地球がまだ原始の時代だった頃に星造りを行った一神であり、エアの名を冠したこの剣は最大出力では三層の巨大な力場を回転させる事で空間変動を起こす程の時空流を生み出すことも出来る。その威力は世界に対し使用するもので、数ある宝具の中でも頂点の一つとして君臨するという。
彼はこの剣を「真実を識るもの」と表現する。天地開闢以前、星があらゆる生命の存在を許さなかった原初の姿、地獄そのもの。それは語り継がれる記憶には無いが、遺伝子に刻まれているという。この剣もまた神造兵装である上に武器として生み出された存在ですらないため、剣における究極の一「無限の剣製」をもってしても通常の宝具のように複製することは出来ない。
『CCC』では攻撃スキルの一つとして登場。相手に筋力依存のダメージを与える。消費MP150と高燃費な上に「自身のHPが30%未満の状態時」にしか使用できないため、比較的に燃費が良く制約もない「王の財宝」や「天の鎖」の陰に隠れがち。描写的には今までのFateシリーズの「天地乖離す開闢の星」と同じであり、上記の「天地乖離す開闢の星」的にいうのであれば「地の理」の方ではないかと推測される。ちなみにGUARD貫通効果があると記載されているが、設定ミスなのか貫通効果が機能していない。慢心ここに極まれり。
天の鎖(エルキドゥ)
由来:彼の唯一無二の親友・エルキドゥ。(元ネタであるギルガメシュ叙事詩ではエンキドゥ)
古代においてウルクを襲った神獣「天の雄牛」をも束縛した鎖。エアと同等以上にギルガメッシュが信頼し、「友」とまで呼び好んで使用する宝具。
能力は“神を律する”。数少ない「対神兵装」のひとつで、相手の神性が高ければ高いほど硬度が高まる。神性を持たないものにとってはただの頑丈な鎖。拘束した相手の能力の無効化までは出来ないが、伊達に神を律するための宝具ではなくバーサーカーを拘束した際には令呪を用いての空間転移すら許さなかった(ただし最終的にはバーサーカーによって筋力で破壊されている)。また殺傷力もあるのかバーサーカーの全身に巻き付いた鎖は際限なく絞られていき、両腕をあらぬ方向に捻じ曲げ、首を絞り切ろうとしていた。
『CCC』では攻撃スキルの一つとして登場。相手に魔力依存のダメージを与えつつ麻痺効果を付加する。こちらも燃費が悪い上に麻痺の付与率は低く、その上成功したとしても相手の行動に何の制限も発生しないことも頻繁に起こる。当然、カルナや神性持ちには効果がアップ……なんて事もなく、普通に防がれる。友の名を冠するにしては、ガッカリな宝具。なお、神話礼装を装着した際に左腕に巻き付いているのはこの天の鎖である。
原罪(メロダック)
各地に伝わる「選定の剣」の原典であり、「聖権」の象徴。「グラム」はこれの派生品とされ、そこからさらに流れていったのが「勝利すべき黄金の剣」とされる。
投影品の「勝利すべき黄金の剣」に対して使用し、これを粉砕した。
「約束された勝利の剣」には及ばないものの、触れるモノを焼き払う光の渦を放つ事が出来る。
グラム
魔剣・太陽剣。北欧神話における選定の剣であり、ヴォルスング・サガに登場する北欧最大の英雄シグルドが所有した。『stay night』当時はドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』でのジークフリートの愛剣であるバルムンクと同一視されていたが、『Apocrypha』ではバルムンクの原典とされている。
「最強の聖剣」と対極に位置する「最強の魔剣」であり、竜殺しの特性も有する。竜の因子を持つ騎士王にとってはまさに天敵。漫画版ではこのグラムによりセイバーの「勝利すべき黄金の剣」に打ち勝った。
絶世の名剣(デュランダル)
フランスの叙事詩『ローランの歌』に登場する、絶世の名剣。「決して折れない」という逸話を持つ不滅の聖剣。
シャルルマーニュ十二勇士の筆頭、聖騎士ローランが所有し、もとは王が天使から授かったという。
三つの奇跡を持ち、所有者の魔力が尽きても切れ味を落とさない輝煌の剣。
ハルペー
ギリシャ神話に名高い英雄、ペルセウスの所有した女怪殺しの神剣。不死の相手に絶大な効果をもたらし、かつてメドゥーサの首を斬った一振り。鎌とも剣とも言われる。
「屈折延命」という不死系の特殊能力を無効化する神聖スキルを有し、この剣でつけられた傷は、自然ならざる回復・復元ができなくなる。
ヴァジュラ
古代インド神話に伝わる雷神インドラの神格象徴の一つ。
一度限りの射出宝具で、ダメージ数値はB+に相当する。所有者の魔力とは関係なくダメージ数値を出すお手軽兵装。
正確にはヴァジュラとは武器の総称(「剣」や「槍」等と同様)なので、数あるヴァジュラのうちの一つと思われる。
ダインスレイヴ
ニーベルンゲンの魔剣。
北欧の英雄・シグルドを殺した一族に伝わるもので、元々はファフニール竜が収集していたもの。強力な「報復」の呪いを持つ。
聖剣・魔剣の類は、栄光と破滅を両立させるものだが、この剣の持ち主には破滅のみが与えられるという。
方天戟
中国に伝わる武器、「戟」の一種。
刺突、打ち払い、打撃と様々な用途があり、兵種を選ばない優秀な武器であったが、扱いには卓越した技術が必要とされた。三日月型の刃を月牙と呼び、これが片側にしか付いていないため、青龍戟と呼ばれる。
数ある方天戟の中でこれだけが宝具にまで昇華したのは名のある武将が愛用したためであると考えられている。「三国志演義」にて呂布が使っていた武器「方天画戟」もこの一種にあたる。
ゲイ・ボルク
クー・フーリンが使用したとされる魔槍の原典。
原典であるためか、この名をあげた士郎は「刺し穿つ死棘の槍」とも「突き穿つ死翔の槍」とも言っていない。
カラドボルグ
クー・フーリンの好敵手・フェルグスが使ったという剣。
とある人物に縁のある者が振るった場合に限り、クー・フーリンは一度この剣の前に敗北しなければならないという。
アニメ版(2006年)でランサーに止めを刺す際に使用。また、この剣を矢として撃ち易いように改良した「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」をアーチャーが使用している。
ヴィマーナ
古代インドの二大叙事詩「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」に登場する飛行装置。黄金とエメラルドで形成された空飛ぶ舟。漢字表記は『Zero』では“輝舟”、『CCC』では“黄金帆船”、『超時空トラぶる花札大作戦』では“天翔ける王の御座”が使われている。
水銀を燃料とする太陽水晶によって太陽エネルギーを発生させ駆動する。舵輪を備えているが、操作には必ずしもそれを用いなければならないというわけではない模様。
叙事詩において「思考と同じ速度で天を駆ける」と謳われ、その挙動は通常の航空機の縛りには捕らわれず、物理法則の範疇外。『Zero』劇中にて、バーサーカーの魔力に侵されたF15Jとドッグファイトを繰り広げたが、強化されたフレアディスペンサーによって撃墜されてしまう。
「Fate/Zero アニメビジュアルガイドII」の解説によれば、ヴィマーナに関する科学技術書「ヴィマニカ・シャストラ」には、ジグザグ飛行、翼を広げての高速機動、ヴィマーナ同士の激突を防ぐ緊急回避能力の他、光学迷彩、ステルス機能、通信傍受、はてはレーザー光線や生物兵器の使用までも可能という記述があり、劇中ではまだその性能の全てを発揮していなかった可能性もあると述べられている。『Fake』では搭乗者を守る機能として数十の迎撃宝具が搭載されている事が判明した。
飛行用宝具
ヴィマーナ程の高速移動は出来ないが、詠唱等を抜きにして自身がその場で飛行出来る為、咄嗟の回避等に便利。
夜の帳
詳細不明。ガウェインとの会話から察するに彼のスキル「聖者の数字」を無効化するものと思われる。
胃を整える霊草
エリザベートの料理を美味にする宝具は宝物庫にも存在しないため、次善の策として主人公に提供しようとした霊草。ただし飲むと味覚が一生失われるというヤバすぎる副作用がある。
後世になってヴァン・ホーエンハイム・パラケルススが手に入れたらしく、『Fate/Grand Order』で主人公に提供していた。
光の船
未来に作られた科学道具で光速を超える船。疑似霊子コンピュータであるムーンセル内では、疑似霊子である存在は光速で、神話礼装なら光速を超えて移動が可能だが、ギルガメッシュは光の船を使う事で現実世界でもそれを可能とする。『CCC』劇中では光より速く飛び銀河の果てから生還、地球から1500光年離れた異星文明へと跳躍航法で移動を行った。
不老不死になる霊草
生前、蛇に奪われた不老不死の薬。服用者は不老不死を手に入れるものの、代償に植物のような存在に成り果てるという。
原典では奪われたことで意気消沈し、そのまま死亡したとされているが、少なくとも『EXTRA』ではその後「王の財宝」を完成させる為に再び手に入れたという。
令呪
『CCC』のあるルートにて主人公に与えた。本人曰く「令呪の一つや二つ、ストックがあって当然であろう」とのこと。やりたい放題にもほどがある。
全自動調理器
シュメールが誇る超古代テクノロジーで作られた、全自動お料理マシーン。ヒュドラ肉のような危険な食材でも問題なく調理し、至高の料理を作り出す高性能機械。リミッターを外す事で性能がアップするが、そうすると何故か壊れてしまう。
出来上がった「ヒュドラ肉のステーキ・アプスーの祝福風味」はライダーとキャスターが絶賛する程。
『hollow』ドラマCD「あるいは怪物という名の食卓」にて使用。
ヒュドラの肉
幻想種である多頭蛇の生肉。思いっ切り毒性があるが、念入りに血抜きをして内臓を取り除けば問題ないとの事。調理にはシュメールの「ヒュドラ調理師免許」のテストに合格しなければならならないが、免許取得第一号であるギルガメッシュの後に続いた者は誰もいない。また宝物庫には他人に渡せる位には予備が有るが、譲渡しても誰にも調理できない。
そもそもギルガメッシュは調理師免許のことを口にしてはいるものの、劇中では調理を全自動料理調理器に丸投げしている。
『hollow』ドラマCD「あるいは怪物という名の食卓」にて使用。
テーブルクロス
北欧に伝わる魔法のテーブルクロス「北風のテーブル掛け」の原型。
食べたい物の名前を唱えながらテーブルに広げると、使用者が望んだ料理が出現する最高級の品。
『hollow』ドラマCD「あるいは怪物という名の食卓」にて使用。ぶっちゃけこれがあれば上記の二つの品は特に必要なかったりする。
エリクサー
2014年のTYPE-MOON エイプリルフール企画で言及。ギルガメッシュを物理で殴るとたまにドロップするらしい。エリザベート曰く「ついつい大事にとっておくけど、結局ラスボス戦でも使わない味がする」との事だが、とても美味しいようだ。カルピスと混ぜるとさらに美味になる。
『EXTRA』ではHPとMPを完全回復させる効果がある。
本来は錬金術において飲めば不老不死をもたらすという霊薬を指す。
視線避けの指輪
『Fate/strange Fake』に登場。シュメールの古代文字が刻まれた指輪。
嵌めると一般人からは視認されなくなるが、あまりランクは高くなく、魔術師ならば普通に見抜けるレベル。
自動防御宝具
同上。幾何学模様の装飾が施された数枚一組の円盤。
電光を放ちながら周囲を飛び回り、襲いかかる脅威に対して自動的に迎撃する。
遠視のレンズ
同上。金色の輪に嵌められた歪んだレンズ。
遥か遠方の光景を映し出すことが出来る。

その他、振ると一定空間を凍らせる剣、魔力を奪う刃先が空間転移する鎌、透明な剣、対多重次元屈折防具、ピコピコハンマーの原典、世界の美酒と杯、時返りの薬、毒見の宝具、宝具を回収する宝具、ご褒美の飴、魔術を跳ね返す鏡のような盾、そして潜水艦や飛行機、知恵の木の実などの財宝が挙げられている。

全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム)
ランク:EX
種別:対人宝具
星の輝きの如く地上の隅々へと行き渡り、万象を見通す、ギルガメッシュの精神性が昇華した常時発動型の宝具。
その効果は凄まじく、相手の真名や宝具はおろか、幾重に隠された真実さえも一瞥で見通してみせる。常時発動しているような状態ではあるものの、意図的に制限している節も見受けられる。
子ギルで言及された宝具だが、説明文から大人状態でも所持していると思われる。

真名:ギルガメッシュ

ギルガメッシュ。英雄王。太古の昔、後に「メソポタミア」と呼ばれるシュメールの都市国家ウルクを治めていた人類最古の王にして、伝説だけでなく実在したとされる、人類最古の叙事詩『ギルガメッシュ叙事詩』に記されたかつて世界の全てを手中に収めた半神半人の英雄。
彼の所有する蔵には有りと凡ゆる武具や神具蓄財され、それらは後世の英雄達の宝具の原典となっているとも言われている。
先々代の王、ルガルバンダと女神ルマトの間に、人として最上級の肉体と真理に至る知恵を与えられ誕生した。元々は古代メソポタミアの神々が圧倒的な人の数による世界の変革を恐れ、神と人間両方の視点を持つ新しい次代の王にして、神と人間の決壊を防ぐための「楔」として生み出した存在。しかし、彼は神の思惑に従わず王としての己を定め己が感じたまま己を生きた。神にとっては自分たちの代弁者であり人間をいさめるために設計したが、逆に神々の旧時代を終わらせる結果となった。
幼年期は理想の統治者として人々を心酔させたが、万能のおごりからか成長すると共に民を省みなくなり、 ウルクを絶対的な力で支配した。これにはウルクの民だけでなく、彼を遣わせた神々でさえも困り果てギルガメッシュを戒めるモノが必要と判断し、ひとつの生命を地上に送り込んだ。その名はエルキドゥ。両者は激しい戦いの後、相手の武勇を褒め称え、無二の友人となった。対等の存在がいなかったギルガメッシュにとって、はじめて“友”と呼べるものが出来たのである。
以後、ギルガメッシュはその独尊ぶりは変わらずとも、エルキドゥに諫められ圧政を軟化させた。理解者を得たギルガメッシュは森の番人、神の獣フンババを下し、 地上で最も優れた王としてあらゆる財を手中に収める。この頃のギルガメッシュは眩しく強大で、神々でさえ目を逸らせない存在だった。やがてそんなギルガメッシュに豊穣の女神イシュタルが恋をする。彼女から求婚されるも、イシュタルがどれほど移り気かつ残忍で、多くの男を破滅に追い込んだ魔女かを知っていたためギルガメッシュはこれをあっさりと跳ね除ける。イシュタルはギルガメッシュに侮辱されたと激怒し、報復として父であるアヌ神に泣きつき、嵐をまとう超高層の災害であり、地上に現れた時7年間の飢饉と破壊が訪れるとされる最強の神獣“天の牡牛”を地上に放ってしまう。エルキドゥと協力して立ち向かい、見事天の牡牛を撃退するも、イシュタルの怒りは当然収まらず、人の身で神の獣を殺した事を罪として彼女は両名どちらかの死を神々に求めた。 結果、イシュタルの願いは聞き届けられ、両名のうち一人、神に作られたエルキドゥはその命に逆らう事が出来ずゆっくりと衰弱死した。
エルキドゥを失ったことで自分に勝るとも劣らない力を持つ存在ですら死から免れないという事実に衝撃を受け、“死”の不安に苛まれたギルガメッシュは、不老不死を求めて冥界へと旅立つ。 長い旅路、数多の苦難の末、冥界に辿り着き、かつて地上を襲った大津波から逃れ生き続けるナピュシテムという老人と出会う。しかし、不老不死の秘密を聞き出すもその代償を知り、不老不死を諦めウルクに戻ろうとする。その時ナピュシテムから不老不死の霊草の存在を教えられ、宝として蔵に収めるため深遠に立ち寄り霊草を回収する。その帰路の途中、泉に立ち寄り水浴びをしていた最中に腹をすかせた蛇に霊草を食べられてしまう。それでも、最終的に永劫不滅の身では生の悦びを味わえない、そして死を恐れる必要はないと悟った。この時ギルガメッシュの精神は成熟に達した。その後のギルガメッシュは苛烈さこそあるものの穏やかに国を治め、次の王に都市を委ねて永眠した。

関連

史実・伝承との違い
原初の英雄ギルガメッシュ。世界最古の神話「ギルガメシュ叙事詩」の主人公であり、古代メソポタミア初期シュメール朝の都市国家ウルクに実在したとされる王。
史実におけるギルガメッシュはウルク第1王朝第5番目の王とされ、メソポタミア南方地域を征服し、シュメール都市国家群を堅固なものとしたという。
Fateでは「ギルガメシュ叙事詩」内で語られる伝承を下敷きとしているが、独自の解釈やアレンジが加えられている箇所が多々ある。
ウルクの滅亡
「ギルガメシュ叙事詩」では若い頃は暴君だったが、エルキドゥと出会ってからは改心し、名君として国を治めたと語られている。史実でも「ウルクの城壁を築きし者(=ウルクを城郭都市として拡張させた)」と語られ、ウルクを発展させた重要人物とされている。
Fateでは『stay night』及び『Zero』において、ギルガメッシュはやりたい放題した挙句に自らの国を滅亡させた暴君とセイバー、ランサーの両名から語られており、本人も否定していない。また『CCC』でも自身を暴君と認め、登場人物から国を滅ぼしたと語られている。しかし本人の話では宝物庫の完成と共にもはやこの世にコレ以上の楽しみは無いと悟り、国を確固のものにしてから次代の王に託し眠りについたと語っており辻褄が合わなくなっている。
「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」
先述の「宝具の原典」を無数に繰り出す宝具であり、当然ながら「ギルガメシュ叙事詩」には登場しない。そもそも伝承では武器を使う場面自体が少ない(武器は黄金の剣と大斧、あと己の拳)。
なお、多くの宝具の真名は伝承の中の呼び名、または伝承の発祥地の言語に準拠しているが、この宝具はそのどちらでもなく英語である。奈須氏曰く、バビロンといえば黄金の都であり背徳の都であるから、らしい。
ここで言う「バビロン」は古代都市のバビロンのことではなく、地域としてのバビロン(メソポタミア一帯)や神話としてのバビロン(メソポタミア神話。「ギルガメッシュ叙事詩」「エヌマ・エリシュ」を代表的なものとして含む)を指していると思われる。
また、イスカンダルが劇中で彼を「バビロニアの英雄王」と呼ぶ際のバビロニアも同様の意味と思われる。
「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」と乖離剣エア
古代メソポタミアの創世叙事詩「エヌマ・エリシュ」が生まれたのは古バビロニア王国が興った頃であり、ギルガメッシュの時代から700~800年ほど後である。
伝承の中で天地開闢の剣を振るうのは知恵の神エアの息子であり、バビロニアの主神であるマルドゥク。これはバビロニアがシュメールを征服し、メソポタミアを統一したことの証とされている。
後にバビロニアはヒッタイト王国に征服されるが、ヒッタイト神話にも「エアの剣」が登場する。かつて世界を分け、神の宝物庫に収められていたと伝えられ、伝承を受け継いだことが窺える。これらの伝承を照らし合わせ複合したものがFateにおける乖離剣エアの実態であると推測される。
「エヌマ・エリシュ」に登場する剣に名は無く、「エアの剣」も通称である。無論、「ギルガメシュ叙事詩」には乖離剣エアや天地開闢に関連するような記述は一切ない。故に、乖離剣エアは「無銘の剣」と作中で呼ばれているのだろう。
英雄王
ギルガメッシュの異名で英雄の王ではなく、「英雄たちの王」を意味する。その蔵には後の英雄たちを助けた宝剣の原典があり、英雄たちの命を奪った魔剣の原典も貯蔵されている。英霊にして、対英霊戦における絶対強者であることが、全ての英雄たちの王と呼ばれる由縁である。
不老不死と蛇
「ギルガメシュ叙事詩」では、ギルガメッシュは不老不死の秘薬を求めて冒険に旅立ち、その果てに秘薬の原料である「若返りの薬草」を手に入れるが、蛇に盗まれ飲まれてしまったと言われている。
しかし、『stay night』劇中で「興味が失せたのでそこらにいた蛇にくれてやった」と自ら放棄したことを語っている。また、聖杯に不老不死を願うようなことも無い。その割りに苦手なものに蛇を挙げている。
『CCC』で彼本人から解説され、当時まだ未熟だった彼は死を恐れて不老不死を求め、ウトナピュシテムに秘密を聞き出すも半ば植物のような存在に成り果てなくてはならない代償を知り、諦めたという。しかし、珍品だった為に「王の財宝」に加えるには相応しいと思い手に入れるも、水浴びをしている最中にうっかりして蛇に食べられたとの事。しかし、本人としても心の何処かで期待していた不老不死を手に入れた事に対する友の雪辱や民の賞賛などの我欲を捨て去る事が出来、自身に不老不死など必要ないとハッキリと悟る事が出来たのでこれで良かったと納得している。尚、その後コレクターとして宝物庫を完成させるために再び不老不死の薬を採取したと語っている。
イスカンダルはギルガメッシュを「ひとたび掴んだ不老不死をあっさりと手放した馬鹿者」としている。
蛇は薬草を飲んで以来、脱皮するようになったと言われている。時臣が「この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石」を召喚の触媒に使ったのはこのためである。

登場作品と役柄

Fate/stay night
3ルート中、2ルートでラスボス(の1人)を務める。
Fate/hollow ataraxia
この四日間を茶番と評して普段は子供の姿で過ごしている。
Fate/Zero
時臣のサーヴァント。
Fate/EXTRA CCC
主人公のサーヴァントとして登場。漫画版『EXTRA』のおまけでも登場し、いつも通り女体化したはくのんの目覚まし時計を宝具で叩き潰して怯えられた。セイバー曰く「気が合ったから連れてきた」。
Fate/EXTELLA
アルテラ陣営副官のサーヴァント。
Fate/strange Fake
偽りの聖杯戦争に召喚されたサーヴァント。敵対者の中にかつての友がいると知って、いつになくやる気を出している。
また明言はされていないもののアヤカ・サジョウの回想には冬木の第四次聖杯戦争で召喚された彼らしきものが登場している。
Fate/Grand Order
通常はガチャから排出されず、時折期間限定のガチャに登場する。レア度は☆5(SSR)。イラストは武内崇氏。
初出の300万ダウンロード記念の際には、大量のアイテムや☆4ランクの英霊一騎など、ユーザーに向けてものすごい大盤振る舞いをぶちかました。
フェイト/タイガーころしあむ / フェイト/タイガーころしあむ アッパー
大河に乗せられ、王はこの世の快楽の全てを知らねばならぬ、と、庶民の幸せを知るため町へと繰り出す。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
ありえないはずの「八枚目のカード」として、上記の黒化英霊の姿で登場。『ツヴァイ!』の中ボスとしてその力を見せ付ける。
『ドライ!!』でもカードを介し、美遊を乗っ取る形で一時的にその姿を表す。
Fate/unlimited codes
「最古の英雄王」。遠距離戦・バビロンと、近距離戦・エアorバビロン内の宝具とスタイルを切り替える。
Fate/Ace Royal
英霊カードの一枚。
コハエース
通称「金ぴか」。キャラはおろか口調すら崩壊気味。秋葉にプロトアーチャーと比べるとアホになったと言われている。
また、しばしば何がしかの八つ当たりの矛先が彼に向く。
Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafe に集う英霊達~
「ゼロカフェ」常連客。
セイバーを求めて店内に長く居座ったり意気投合した征服王と騒いだりする上、他の客にもスタッフにも尊大に振る舞い、たいてい迷惑がられている。
戦車男
「英霊の座」スレ住民。タンクトップにジャージのズボン、バンダナに指抜きグローブ姿の立派な引きこもりニートで、その上セイバーのストーカーでもある。遠坂邸に居候しており、カソックにフリルのエプロン姿の家政婦のおじさんが生活全般の面倒を見ている。
いつも自信満々に全く説得力皆無のアドバイスを戦車男に焚き付けては、そのたびに幼馴染のエルキドゥちゃんから厳しくつっこまれるのが日常風景。
ちびちゅき!
愉悦研究会会長。人の不幸を肴に愉しむ性悪の集まり……ではなく、その実態は漫研と大差ない。セイバーへのストーカー行為は続けているが、最近はエルキドゥが自分以外の友人を作るようになり、気が気でない。岸波白野ティーネ・チェルクとも絡んでいるシーンがある。
愉悦研究の成果であるオタショップ「ギルガメイト」のほか、『hollow』世界と同じくわくわくざぶ~んも経営している。
カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
シロウ編のEDの一つでも本人が登場、自身の廃課金っぷりをアピールするために宝物庫の全てと引き換えにゲットした激レアさーばんとを自慢してくる。
コスト:1000 / 戦闘力:A / 突破力:- / 移動力:- / 体力:A / 忍耐力:- / リキャスト:E

人間関係

冬木

第四次

遠坂時臣
召喚者であり、第四次聖杯戦争のマスター。ギルガメッシュを「王の中の王」と認め、臣下の礼を取る。尤もその本心は最終的に英雄王を自害させるつもりであった為、後に造反された。
言峰綺礼
第四次聖杯戦争中盤以後のマスター。彼の有り様を「興味深い」と評し、その行く先を見ることを望んでいる。
セイバー
幾度となく求婚。アンソロジーなどでは彼女のストーカー扱いされることも。彼女の生き方に執着しているのだが、『CCC』にて実は見た目も好みだったことが判明した。
『unlimited codes』ではセイバーを打倒した際に興味を失い、「反抗する」という要素がなければセイバーに執着しないことが明かされた。つまり「我の后となれ」と言いつつ、「后になる(従順になる)」と興味を失うという、とんでもないギルガニズムが垣間見える。セイバーがまったく靡かないのは、こういう英雄王の性質を直感で感じ取っているのかもしれない。
もっとも彼に言わせれば、Fateルートで彼女に告げた通り「手に入らぬからこそ、美しいものもある」と言う事なのだろう。
ライダー
第四次聖杯戦争中、唯一「王」と認め、全力で戦うに相応しいと認めた相手。

第五次以降

間桐慎二
UBWルートで契約したマスター。本人は歯牙にもかけておらず、あっさりと切り捨てる。
カレン・オルテンシア
繰り返される四日間でのマスター。人使いが荒いので苦手にしている。
セイバーオルタ
セイバーが暴君に反転した姿。『unlimited codes』では「理想を捨てた貴様になど用はない!」「下らん!雑念に堕ちたな!セイバー」と嫌悪を見せている。
ただ、「カーニバル・ファンタズム」では暴君でマイペースな彼女に心を奪われ、凛に「こういうのが好みか」と白い目を向けられていた。
衛宮士郎アーチャー
贋作者(フェイカー)と蔑むが、戦った場合は非常に分の悪い相手。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
人間とホムンクルスの間に生まれた彼が嫌う「雑種」であるためか、人形と蔑み極めて冷淡な見方をしている。
バーサーカー
自分と同じ半神半人ということもあり、大英雄として高く評価している。
ランサー
気に食わない相手。ギルガメッシュに言わせれば「王としての在り方が我と正反対」であるそうな。
セラリーゼリット
己の意志で主を守るという在り方を認めつつも、それが報われることは無いと断じ、誅滅する。

EXTRA CCC

主人公 (EXTRA)
月の裏側で契約したマスター。最初はただの気紛れで契約していたため、「契約を切りたい」と言う旨の発言をするとすぐに殺してしまう(この辺については最後の最後で彼が明かしてくれる)。
遠坂凛
『CCC』では彼女の金の亡者ぶりやその搾取側の思想、何より彼女の実力を評価し、「組めば面白そうだ」と発言している。また、凛のテンプレのようなツンデレ言動を見て「イシュタルめの転生体か?」とコメントしている。
ラニ=VIII
『CCC』にて、彼女の魔術師としての実力を認め、凛と同じく彼女も「自分のマスターを支えるにふさわしい者」と評価している。
間桐シンジ
『CCC』でも相変わらず「小癪ワカメ」と呼ばれ評価は低かったが、自分の命を以ってメルトリリスに一矢報いた最後を認め、なんと「シンジ」と名前で呼んでいる。
カルナ
月の裏側で出会った好敵手にして同格の英霊。自身と同等かそれ以上の力を持つ相手として、初対面から高く評価している。また彼の「鎧」と「槍」は自身の宝物庫にすら存在しないため手に入れようと狙っていた。
ランサー
月の裏側にて戦ったサーヴァント。美声は称えるもそれを活かせない超絶音痴さに苛立ち「殺すのすら生ぬるい」と黄金Pを名乗って改善させようと迫る。そしてある場面では、彼女のSGを暴く際に…!?
BB
お互いに天敵同士。喋れなくされたり、洗脳されたり、影に飲み込まれたりと何度も何度も苦汁を飲まされた上に、いつかどこかで後ろからドロリと飲み込まれたことがあるような、ないような直感から「お前には慢心も背中も見せない」と最大の警戒をしている。一方彼女の方も、彼が主人公の令呪を全て使わせたことを始め、何度も主人公を危険にさらすためパートナーサーヴァントの中で最も彼に辛辣。
パッションリップ
アルターエゴの一体。基本「金髪貧乳党」の彼だが、そのありえないサイズの胸を見て動揺し、「好みではないが、あそこまで大きいと一度味わってみたい」と評した。また彼女の「愛」を「綺麗なだけのものに何の価値があろうか」と認めている。
メルトリリス
アルターエゴの一体。彼女の深い愛を「少女の極み」と評し、その矛盾を質しながらも、愛に殉じようとするその在り方を「是」と認めた。

strange Fake

ティーネ・チェルク
偽りの聖杯戦争でのマスター。
相変わらず高慢な態度で接するが、まだ価値観が形成されきっていない子供であることも考えてか導くような言動が多く見られる。
真アーチャー
「王の財宝」での数千発の一斉掃射をいなされた挙げ句「弱い」とダメ出しされ、乖離剣を抜けと挑発される。
普段の彼を考えれば頭に血が上り激昂間違いなしの言われようだが、自分に並ぶ力を認め好奇心を抱く。
真キャスター
エルキドゥの幻覚を見せられたことから激怒し、「魔物」「道化にすらなれない三流」と嫌悪感を露にする。

Grand Order

オジマンディアス
カルデアで召喚されてからはお互いに気が合っている。だが、それは自分が一番、あいつが二番という認識をお互いに抱いていてその認識のずれに気づけば即座に瓦解、殺し合いに発展する地雷源真っ只中の関係とも言える。

生前

エルキドゥ
生前、数日間に渡る互角の決闘の末に唯一親友と認めた人物。『Fate/strange Fake』ではランサーとして召喚されている。
彼と共に過ごした時間や思い出は最高の「宝」となっている。
その一方でだいぶ執着もあるようで、友達を作ったり誰かと手を組もうとするたびに「相応しいか試す」と理由をつけて無理難題を押し付け、追い払ってきたとか。
イシュタル
執拗に求婚を迫ってきた豊穣の女神。古今東西で英雄王が最も憎み嫌う存在。
彼女を振ったことで怒りを買い、結果的にエルキドゥの死を招いたため、彼女のような男を誑かす女性を最も嫌うようになった。
その憎悪振りは尋常ではなく、『CCC』においては、アルターエゴの中に内包された女神の中にイシュタルが居た場合、容赦なく開幕からエアを抜き放つと言い切ったほど。この段階ではまだ主人公のことを認めておらず、嘘を嫌う彼の気性から考えれば異例の発言と言える。
『FGO material』では「飛蝗の群と砂嵐、子供のかんしゃくが混ざったような存在」と評している。
ナピュシテム
神の列に加わり不老不死の力を得た賢人。その在り方を嫌ったギルガメッシュに不老不死の霊薬について教えた。

その他

子ギル
幼年期の自分。だが子ギルは彼を「どうしてああなったのか自分でもわからないほど理解しがたいひどい人」と評し、ギルガメッシュも「子供の頃の我が今の我を見たら成長を止めてしまう可能性すらあろうよ」などと言うなど、同一人物でありながら相性がかなり悪い。
ギルガメッシュ (Prototype)
自分の原典だが、もの凄く相性が悪い相手。『トラぶる花札道中記』で戦った際は惨敗を喫し、黄金の鎧を剥ぎ取られるという屈辱を味合わされてしまった。
ネロ・クラウディウス
番外編などで何度か共演しているが、仲が良かったり悪かったりと作品によって反応が違う。漫画版『EXTRA』の番外編ではセイバーと勘違いしていた。

名台詞

Fate/stay night

「侮るな。あの程度の呪い、飲み干せなくて何が英雄か。
 この世全ての悪? は、我を染めたければその三倍は持ってこいというのだ。
 よいかセイバー。英雄とはな、己が視界に入る全ての人間を背負うもの。
 ―――この世の全てなぞ、とうの昔に背負っている」
その器、もはや計測不能のデカさである。
「―――憎らしい女だ。最後まで、この我に刃向かうか
 だが許そう。手には入らぬからこそ、美しいものもある
 ではな騎士王―――いや、中々に愉しかったぞ」
Fateルートでの退場シーン。敗北しながらも、王の威厳を感じさせるのだが……
この後、ルートを進むごとに死に際の威厳が落ちて行くと誰が想像しただろうか。
「死に絶えるのならそれでよい。自らの罪で消え去るのなら、生きる価値などあるまい。
 我が欲しいものは雑種ではない。地獄の中ですら生き延びられるモノにこそ、支配される価値がある。
 その点で言えば前回のは落第だったな。あの程度の火で死に絶えるなど、今の人間は弱すぎる 」
UBWルートにて聖杯を使い現代の人類一掃の目論みを明かした際に語った現代人の評価。この言い方からすると、古代ウルク人は冬木大火災にも耐えられるということになる。そんな超人たちと比べられては、現代人としてはたまったものではない。なお士郎はその点でいえば合格のはずだが、天敵ゆえか認めていない模様。
「正義の味方?誰も傷つかない世界だと?おかしなことを。
 誰も傷つかず幸福を保つ世界はない。人間とは犠牲がなくては生を謳歌できぬ獣の名だ。平等という綺麗事は、闇を直視できぬ弱者の戯言にすぎぬ。
 ――――雑種。お前の理想とやらは、醜さを覆い隠すだけの言い訳に過ぎぬ。 」
UBWルートにて士郎の理想を真っ向から否定する英雄王なりの考え。
「おのれ――――おのれ、おのれおのれおのれおのれおのれおのれ……!!!」
士郎の無限の剣製に圧倒される様。頼りの財宝は贋作者と蔑んだ敵に次々に砕かれ、完全に冷静さを失っている。
その上不用意にエアを使おうとして、腕ごと奪われるという始末。
「たわけ、死ぬつもりなど毛頭ないわ…………!!
 踏み留まれ、下郎、我がその場に戻るまでな!!」
士郎との最後の戦いで見せた、往生際の悪さ。
体の半分を溶かされても生にしがみつく様は凄まじいが、手段は他人に頼りきりなのが何とも情けない。
「いまのうちに死んでおけよ娘
 馴染んでしまえば死ぬこともできなくなるぞ―――――」
HFルートにて、すれ違った桜にかけた言葉。
一見残酷で無茶苦茶な台詞だが、桜のようにこれから先死より辛い人生しか待ち受けていない女を数多く見てきた英雄王がかける、最大限の慈悲に満ちた言葉、であるようだ。
「―――ぬ?」
「―――貴様、よもやそこま、ガ――――!!!???」
HFルートにおける無様な最後。桜を路地裏で襲うが、実際は誘い込まれていたのは彼の方であり咀嚼されながら食い殺されてしまった。
更に彼が桜を傷つけたせいで、彼女の暴走が加速していくこととなる。
「雑種」
世界の王たる我に比べれば他の人間など犬畜生にも劣る、という考えからほぼ全ての人間を名前で呼ばない。
だがしかし、当の本人も神と人との間に生まれた雑種である。
「魔術師どもも学ばぬな。所詮人間では、お前達の純粋さに報いられん」
アニメ『UBW』第14話で対峙したセラリーゼリットに対して。神によって造られ神罰で命を落とした生前の友を彼女達に重ねたのだろうか。また、全身を串刺しにされてなお主君への忠義を果たさんとするセラの意思を確認すると、自ら手に取った剣で介錯するなどホムンクルスである彼女らには彼なりの慈悲を見せている。
「呆れた男よ、最後の最後で己が神話を乗り越えたか」
アニメ『UBW』第15話より。天の鎖を引きちぎり眼前まで迫った大英雄への賞賛の言葉。

Fate/hollow ataraxia

「慢心せずして何が王か」
彼が彼たる所以。もはや慢心が彼の一部であるということがよくわかる。
「おおおおおおお?馬鹿な、天の鎖を持ってしても脱出できぬのか!?
 ええい、断崖絶壁や墜落事故ではあるまいし何をこれしき!我はともかく我の財宝を侮るなよ!
 さあ、友よファイトだ!頑張って我を助けよ!」
世話のかかる友を持ってエルキドゥも大変だ。
「―――よい開幕だ。死に物狂いで謳え雑念―――!」
終盤、無限の残骸どもを相手にした時に。後に『CCC』において、主人公の危機を救う際に同じ言葉を発している。油断と慢心を捨てた一生に一度の本気。

トラぶる花札道中記

「コトミネー。この青いの、自分でもわかっていないルールを偉そうにしゃべってたのだぞー」
「その尊大さに我もビックリ」
一人称がわれなのは間違いではなくそういう仕様。
「ははは。いいではないか我たち楽しいし」
ランサーに用事を押し付けギルガメッシュと言峰は毎日ぐうたら暮らしている。言峰曰くそれぞれの長所を尊重した結果らしい。
「何が予定通りか。――が、契約者の失策を立て直すのも我の務めだ。気が乗らぬが手を組むか雑兵!」
先程までのアホの子のような言動が嘘のように格好良く対応する。
「眩しすぎるほど運命合コン圏!なんだランサーあの愛くるしい子供は!?神か!?」
新生・聖女と愉快な仲間たち編で子ギルと遭遇した際の台詞。同性だとか以前に過去の自分なのだが……。
「ぬ。たわけめ、侮るな下郎!我的には可愛ければオールオッケー。真の英雄に男も女もないと知れ!」
同上。子ギルに興奮していたギルガメッシュにカレンの「彼は男の子ですよ?」という問い掛けに対する答え、要するにバイ。さすが英雄王、恋愛観もぶっ飛んでいらっしゃる。

フェイト/タイガーころしあむ

「OK!何の問題も無い!一夫多妻制こそ英雄の本懐よ!」
ギルガメッシュルート。セイバーとセイバーオルタに殺意を向けられても、まとめて嫁にすると意気込んでいた。
「聖杯よ。貴様にかけるべき願いは一つだけだ。―――言うまでもない。貴様のような贋作フェイクは―――
 疾く、わが前より消えるが良い!世を正し、世を乱すは人の役割!貴様のような神のまがい物、存在すら許さぬわ!」
同上。虎聖杯を前にし王としての矜持を語り虎聖杯を破壊する。
「ん?どうした、セイバー?ガ?ガッシュ?……そうか!!「ギルガメッシュ貴方が好き!!」と、言いたいのだなっ!?」
「セイバー」シナリオにて。毎度のことながらポジティブ思想すぎる。
「そうか?なかなか珍味であったがな。泰山のトウフよりマシだ。」
セイバーオルタルート。言峰に用意されランサーと食した物の感想。それの正体が間桐の蟲だと2人は知らない。
「私の数あるコレクションから厳選しました。気に入っていただけると幸いです…。」
黒桜ルートの最後。ギルガメッシュが跪き敬語を使っている貴重な場面。
「ことみねー、どこだー。我はおなかすいたぞー、ことみねー。」
真アサシンルート。言峰と葛木先生がシリアスな空気を漂わせているところに子どものような事を言いながら登場。
「おお。これはこれでかっこいいではないか。やはり我は何をしても美しいな!………ちょっと胸板貧相になったけど。」
凜ルート。眼鏡が気に入ったようでご機嫌。
「…いや、我のせいではないのだセイバー……我はちゃんと玄関から行こうとだな…。」
カレンルート。衛宮邸の窓をぶち破り飛び散ったガラス片でセイバーの鍋を台無しにしたカレンを見て。さすがの暴君もカレンの傍若無人ぶりにはドン引きである。
「な、なるほど……ういやつめ!!我がお菓子を買ってあげよう!!別に我は怖くないぞ ほーれこいこーい♪」
『アッパー』セイバーライオンルート。光源氏計画を試みるが、性質はセイバーと同じなので結果は語るまでもない。
「おお、綺礼!愉悦に浸るその笑み、まるで宝箱を開けたかのような喜びだな。久しぶりにその顔を見たぞ。それでこそ我が選んだ男だ」
『アッパー』アイリルート。この時だけ『Zero』のように「綺礼」呼び。

Fate/unlimited codes

「―――だがそれにしても、十年にして追い求めた宝にしては、この趣向、いささかばかり物足りぬな
 フフ、もはや抗う力もない、か。……ああ成る程、セイバー、お前が光り輝いて見えたのは、我に刃向かっていたからこそ、なのか
 まあ良いわ。女、飽きがくるまでもうしばらくは愛でてやる。それまでは存分に、この世の苦痛と快楽を満喫するが良い」
ギルガメッシュルートにてセイバーを破り服従させることに成功するも、即座に価値がないと切り捨てる。

Fate/Zero

「問いを投げるか、雑種風情が… 王たるこの我に向けて!」
「我が拝謁の栄に浴して尚、この面貌を知らぬと申すなら、
 そんな蒙昧は生かしておく価値すら無い!」
征服王に「名乗りを上げたらどうだ」と言われての返し。
面倒な言い回しだが、要は「我の顔も知らんような奴は死ね」。
「痴れ者が……。天に仰ぎ見るべきこの我を、同じ大地に立たせるかッ」
バーサーカーの攻撃で足場が崩れ、地面に降り立った直後にこの一言。
読者のほとんどが「怒るポイントはそこか?」と思ったであろう。というか、地の文にもツッコまれている。
「決めたぞ。――ライダー、貴様はこの我が手ずから殺す」
アインツベルンの城でセイバー、ライダーを交えて談義した時、心意気を見せたライダーに対して言った言葉。
この瞬間から、ライダーを対等な敵と認めていたと思われる。
「――自ら王を名乗り――皆から王と讃えられて――そんな輩が、“悔やむ”だと?
 ハッ! これが笑わずにいられるか? 傑作だ! セイバー、おまえは極上の道化だな!」
聖杯問答においてセイバーが語った心意を聞いた時、嘲笑を込めて笑いながら言った言葉。彼女の王としての存在は、自分やライダーの描くそれとはかけ離れたものだった。
ライダーが「眉間に皺を寄せ、いつになく不機嫌そうな風情でセイバーを見据え」たのに対し、ギルガメッシュは「もはや抑えが効かぬとばかりに笑い転げ」ることに。
「愉悦というのはな、言うならば魂の形だ。あるかないかではなく、知るか知れないかを問うべきものだ」
「求めるところを為すがいい。それこそが娯楽の本道だ。そして娯楽は愉悦を導き、愉悦は幸福のありかを指し示す」
自らの在り方に悩み娯楽そのものを否定する言峰に対し、愉悦の何たるかを語る。
「ヒトの領分を超えた悲願に手を伸ばす愚か者……その破滅を愛してやれるのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にない。
 儚くも眩しき者よ。我が腕に抱かれるがいい。それが我の決定だ」
キャスターの大海魔を下した「約束された勝利の剣」の光をライダーと共に眺めた後、エルキドゥを彷彿とさせるセイバーに対して。
「ふん、興ざめな幕切れだ。見よ、この間抜けた死に顔を」
臣下の礼を取っていたマスターという不忠者の余りにあっけなく無様な最期への感想と共にその間抜けな死に顔を足で小突いた。共犯者は「すぐ側に霊体化したサーヴァントを侍らせていたから油断したのも無理はない。」と一応の弁解はしながらもその無様な最期を嘲笑っていた。
結局弟子も王も自分を裏切るわけがないという、切嗣や雁夜に対して抱いた感情と同じく自分の価値観から外れた人間が存在するという事実を知らないまま、優雅とはほど遠い死に方で時臣は聖杯戦争から退場する。
「夢を束ねて覇道を志す……その意気込みは褒めてやる。だがつわものどもよ、弁えていたか?夢とは、やがて須く醒めて消えるのが道理だと」
「また幾度なりとも挑むが良いぞ。征服王」
「時空の果てまで、この世界は余さず我の庭だ。故に我が保証する。世界は決して、そなたを飽きさせることはない」
唯一全力で戦うに相応しいと認めたライダーに対しての、偽らざる賞賛の念を込めた言葉。
「忠道、大儀である。努その在り方を損なうな」
ライダーとの誓いを守り、身一つで対峙したウェイバーに対して。
手にかけるだけの理由はない、と解説されてはいるが、それだけではこの言葉は出てこまい。彼なりの王の哲学を感じる。
なお、仮にウェイバーにまだ令呪の気配が残っていたなら殺すつもりだったらしい。ウェイバーがライダーのマスターかどうか問われ、「違う。ボクは――あの人の臣下だ」と返した際、小説版でもアニメ版の第23話でも、ギルガメッシュがウェイバーを見て令呪の有無を確認する描写がある。

Fate/EXTRA CCC

「この雑種の命は既に我のものだ」
「貴様にくれてやるものは何一つないぞ?」
主人公がギルガメッシュに令呪すべてを捧げたことに憤慨するBBに、彼女の主人公への想いに気づいていながら挑発する。
なお、事前に「BBが主人公を想っている」ことを知らなければ意味がわからないセリフであり、唐突なデレとも取れるセリフに混乱したプレイヤーもいた模様。
「間違えるな守銭奴。先を読む、という時点で既に敗北だ
 盤上において未来は読むものではない。俯瞰して観るものだ。正着は常に見えている。」
ラニとのチェス勝負に勝利し、凛達に語った規格外の観点。また、カード勝負で自分に勝つなら「思い通りの手札がくる」ことが最低条件らしい。
「豊満な女は好みではなかったが、あそこまでいくと蒐集家の血が騒ぐ。
 なんにせよ、頂点を極めるのはよい事だ!」
パッションリップのあまりの胸の凶悪さに「古今東西の美女を愛でた我ですら衝撃を隠しきれぬ」と血が騒いだ様子。
「以前、これはお前の戦いだと言ったが、アレは忘れよ。
 お前の敵は我の敵だ。手を貸すがよい無名のマスター。
 これより先は、我がお前の剣となろう!」
それまで傍観者に徹していた彼が、BBを共通の敵として、主人公を自分のマスターとして認めた瞬間。
これ以降、主人公を「我が雑種」と認め、労ってくれたり、「酒でも出すか?」と気遣ってくれるようになる。
「おい、怪我はないな?」
物語後半からの戦闘終了時台詞の一つ。これ自体は何の変哲もないものに過ぎない。しかし発言者があの英雄王ゆえにこちらの身を気遣うデレ具合に絶句する人が多数発生した模様。また、「見事だ。後で飴をやろう」という発言もある。
「凡俗であるのなら数をこなせ。才能が無いのなら自信をつけよ」
『CCC』後半の雑魚戦後のセリフの一つ。非常に的を射たアドバイスである。
「褒美だ、人類最古の地獄を見せてやる……!」
宝具発動可能状態時に出る台詞。関氏の熱演もあって、演出的にも中々。
「我に慢心を捨てろときたか! つくづく厚顔なマスターよな!」
「貴様には地の理では生温い。天の理を示してやる。さあ! 死に物狂いで耐えるがよい、不敬!
 死して拝せよ! 『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具使用時セリフの一つ。最古の英雄王は高笑いと共に、最強最古の宝剣を解放する。
『Fate/Zero』では時臣に宝具使用を懇願された時にすげなくあしらい、つまらない相手に使わせようとすることに「刎頚に値する」と激怒していたが、『CCC』ではたとえ雑魚が相手であっても、愉快げにこのセリフを言いながらノリノリで「天地乖離す開闢の星」を使ってくれる。両者の違いは実は頼み方、時臣も真面目に頼み込んだりせず「英雄王のかっこいいところ、見たいー」みたいにおだてれば海魔相手でも余裕でつかってくれたらしい、ようはキャラの違い。
「興が乗ったぞ、下がっていろマスター。
 原初を語る。元素は混ざり、固まり…万象織りなす星を生む!
 フハハハハハハ! 死して拝せよ! 『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具使用時のセリフの一つ。英雄王が楽しそうで何よりです。
「では行くぞ――
 A・U・O・キャストオフ!」
エリザベートのSGを明かしにいったと思ったら、いきなりAUOが全裸になった。
何を言っているかわからないと思うが、オレもわけがわからなかった。
露出強とかクール&ワイルドみたいなチャチなものじゃ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を…
「照れるのも無理はない。
 我が裸身はこの世で最高水準のダイヤに勝る。それが生娘なら尚の事だろうよ。」
で、パニックになって悲鳴を上げるエリザベートに対して。自分の全裸になぜここまで自信を持てるのか。
「やはり最後に物を言うのは貨幣か」
「英雄王マネーイズパワーシステム……フッ、悪くない響きではないか」
マシンの出力を上げるために投資してください、とラニに言われてしたり顔で呟いた。
直後に凛に「マネーイズパワーシステムは遠坂の商法」と怒られるが、英雄王はどこ吹く風。
「すまぬ。我は貧乏という概念がよく分からぬのだ。
 なにせ、使い切れぬほどの財がある故。よって貴様の哀しみを癒す術を知らぬ。
 ………許せ、ハサンよ。あと近寄るな。貧しさが移りそうだ」
「知らぬか? サーヴァント界で最も不遇な者。
 その名をハサンと言うのだ。まぁ、貴様の財政事情とかけているのだが。
 ―――ハサンなだけに、破産。
 よし笑え。笑う門には福来たる、とは貴様の国の格言であろう!」
世知辛過ぎるAUOジョーク。ちっとも面白くない。そして死後も弄られる山の翁達は泣いていい。
これでは、聖杯戦争に復讐したいというとある女アサシンの気持ちも尤もなものである。
しかし、第五次ハサンはFGOにおいては第六章で山の民側のキーキャラクターとして活躍。その他Fate/Labyrinthでは四騎のサーヴァントの一人として選ばれるなど、礼儀正しく忠節に熱いという独自のキャラクターを獲得している。
また、Fakeでは気配遮断EXの規格外ハサンの登場、さらに初代ハサンは最高の七騎の一人である可能性が示される等、近年山の翁達の名誉回復が多く描写されている。
「躾がなっていないぞ店主。我らの会話に横やりを入れるなぞ、まさに狂犬といったところよな。
 ところよな?…………どうした。笑ってもよいのだぞものども。
 横やり、だ!!ランサーと槍をかけたAUOジョークだとなぜ分からぬ、たわけども!」
主人公、ランサー、言峰を沈黙させた渾身のAUOジョーク。
彼を完璧な王としてデザインした神々も、ユーモアセンスだけは与えられなかった様子。わざわざ「横やり」を強調して言っているが、初プレイで気づいた人がどれくらいいただろうか。
「……恐ろしき罰よ。我ですら背筋が凍ったわ。いや、待てよ。
 あれはヤツの嗜好の品であったな……もしや本気で褒美のつもりなのか?」
言峰がランサーに令呪で命じた内容にはギルガメッシュも怖気づいた。本気で褒美のつもりなら枚数や時間の制限などしないと思うが、真相は不明である。
「よいか。この世のすべての生命は先達者の手で作られたモノだ。自然発生するのは魂のみ。
 それこそが我や貴様が持つ、ただ一つの“己”だろうよ。体が作り物であろうと、始まりが何者の写し身であろうとな。
 目覚め、抗った瞬間に、お前は唯一の独立性を確立した。それを作られた、などと思う事はない」
己がどのような意図を持って生み出された存在であろうと、己の生き方は己で選ぶというギルガメッシュの考え。
そして、この言い方から主人公の正体をすでに見抜いているようである。
「本来、我はおまえのような人間に倒される側なのだ。その恐れを知らぬ顔に何度煮え湯を飲まされたことか。
 何の因果か、それを今はこうして間近に眺めているのだ。皮肉の一つも口にしたくなるというものだろう?」
迷いを断ち切り歩むことを決めた主人公の面構えを一見し、前作から続く悪役としての宿業を自嘲しながら語る。しかし、その言は信頼に満ちていた。
「不思議ではないだろう。 我は人間の守護者として生まれたものだからな。この星の文明みらいを築くのが、王の役目だ」
「守護にも種類があろう。守る事だけが守護ではない。時には北風も必要だろうよ」
暴君として振る舞いながら人類が窮地に立つとそれを救うため行動することを不思議に思ったエルキドゥに語った、あえて厳しく突き放すと言う守護者としてのありかた。もっともギルガメッシュの場合、北風なんて生易しいレベルではなく竜巻や台風といった災害レベルなのだが。
「価値はある。唯一の価値はあるのだ。
 我はここに宣言する。 
 この世において、我の友はただひとり。
 ならばこそ―――その価値は未来永劫、変わりはしない」
彼の友の死に際、涙を流すギルガメッシュに対して友が発した「自分には君が涙を流す理由も価値もない」という言葉に対する返答。
「共に生き、共に語らい、共に戦う。それは人でも道具でもない。友と言うのだ、エルキドゥ」
自分は道具であるからギルガメッシュの傍らに有り続けることが出来ると言うエルキドゥに対して。
この言葉はエルキドゥにとって真の意味で自我に目覚めた切っ掛けであると共に、輝く宝石のように大切な言葉であった。
「そもそも我に友など滅多にいるものか。いたとしても名前など忘れていよう。もう口にすることはできぬのだからな」
主人公に「友の名を覚えているか?」と尋ねられて。正確には「遠い日の過ちをもう捨て去ってくれているのか」を主人公を通じて尋ねるように言い残したエルキドゥからの問いである。
ギルガメッシュはこれに対してあえて旧友の名前は忘れたとしつつも、友がいたことは否定せず、また友の名も「口にすることはできない」(覚えている)と返すのである。
「………………何を言い出すかと思えば。この我が人間を愛しているか、だと?
 貴様、今まで何を見てきたのだ?
 我が人間をどう見ているかなど、貴様の扱いから身に染みていよう! 分かりきった事を我に問うな!」
主人公のある質問に対する答え。言葉通りなら、人間に対してどんなスタンスをとっているのかが分かる。
「欲などいくらでも張ればよい。少なくとも我は気に入らなかった。
 それに、だ。おまえには一つ足りぬものがあった。それを教えてやろうと思ってな。
 分からぬか。新しきを知る喜び。未知に胸をときめかせる本能。
 己の人生を彩る娯楽―――つまり、愉悦、というヤツだ」
エンディングでの主人公に対して。どの世界でも全くブレない英雄王である。
「いらん。そのような物を食うのは狗だけだ。
 女の化身よ、未来の無い欲望は我の趣味ではない。
 此処で襤褸屑のように散るがいい―――!」
裏ボスに対してのセリフ。この絶対零度の殺気は、裏ボスが親友の命を奪った女の性の化身を彷彿とさせる為か。
「貴様が少しでも満足の答えを出せばこのまま表側へ送り出そう。
 だが下らぬ答えを返せば貴様も、貴様に付き合った我もそれまでの器。代償として貴様の首をもらう。
 覚悟して答えるがいい。最後に問おう。我にとって、貴様はいかなるものなのか。」
黒幕を倒し、主人公を表側に送り出す前に、最後の問いをぶつける。
「人の世に戻るがよい。
 その無様な生涯を全うし、退屈な世に花を咲かせよ。
 その儀の完了を以て、我との契約を切るものとする。
 先に進むがいい、雑種。お前の旅ならば、それは見応えのある物語となるであろう」
最後のセリフ。月から脱出を果たす主人公へ向けて、最大の賛辞を贈る。

Fate/strange Fake

「……答えよ、貴様が不遜にも王の光輝に縋らんとする魔術師か?」
召喚されてからの第一声。小物っぽい魔術師に召喚されたからか、かなり不機嫌なご様子。
「なんだ貴様は道化か?
 なればもっと華美のある悲鳴で我を愉しませよ」
いきなり右手を誰かに吹っ飛ばされた自身の召喚者を見ての台詞。かなりの悲鳴をあげていたと思うのだが、愉悦部部長英雄王的には物足りなかったようだ。
「くだらんな。誰が上に乗ろうと、すべての地は我の庭に帰するのだ。
 庭で雑種が諍いを起こそうと本来ならば捨て置くところだが……
 我の宝を掠め取ろうとする輩ならば、話は別だ」
自分を召喚した魔術師に代わり、新たな契約者となったティーネの「スノーフィールドの地を奪還したい」という悲願を聞いて。相変わらずのジャイアニズムである。
「我の威を借りようとするだけのことはある。それなりの覚悟でこの戦に挑んではいるようだ」
「だが所詮まがいものの台座。本気を出すに値する敵が出るまでは、しばし姿を変えるとしよう」
ティーネが総代を務める部族の人々を目の当たりにして。ティーネたちの覚悟を認めるような発言をしつつも、依然やる気/Zeroの英雄王。退屈そうな感情を隠そうともせず、若返りの秘薬を取り出すが…
「雑種の小娘よ!
 喜べ、どうやらこの戦、我が本気になるべき価値となったようだ!」
召喚の場から屋外に出るまで、まるっきり不機嫌かつやる気なしだったがスノーフィールドに響き渡る歌声を聴いて態度一変。
「我の臣下となるならば、一つおまえに命じておくことがある」
「幼童ならば少しはそれらしくせよ。万物の道理のわからぬうちは、ただ王たる我の威光に目を輝かせておればいい」
幼いながらも臣下の礼をとるティーネに対して。唯一の友の参戦を知り、上機嫌なのもあるかもしれないが基本的に子供には優しい英雄王。
「気を抜くな、ティーネ。そして我に証明して見せよ」
決闘児戯の余波程度で場打てするようでは、我の臣下には値せぬと知れ」
つい今しがたまで「子供は子供らしくしていろ」と言ってた直後にこれである。聖杯戦争史上かつてないほどにご機嫌であったとしても、ギルガメッシュと付き合っていくには生半可な神経ではやっていられないらしい。
「エアよ。寝覚めで不機嫌だろうが、暫しの饗宴に付き合って貰うぞ」
「何、退屈はさせん。誰一人な」
ティーネとの契約締結直後、なんと開幕からいきなりエアを抜く。この英雄王、たいへんノリノリである。
「エアよ、存分に謳うがいい」
「『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具解放。最古にして唯一の友に贈る、再会の喜び。
「まったくだ。幼き日の我が今の我を知れば、それこそ自害でもしていたろうよ」
エルキドゥに「おまえは一度死んでも変わらんな」と軽口を飛ばしたら「君は生きながらにして暴君に生まれ変わったけどね」と返されて。
かつて子ギル自身も言っていた通りの事実なのだが、他作品でのギルガメッシュを知る者が見れば肝がどれだけ冷えても足りないレベルのやりとりではある。
「おまえにそこまで言わせるマスターとはどのような人間雑種だ? その価値があるかどうか、我が見立ててやろう」
エルキドゥが「マスター」のために撤退すると言い出したことに些か機嫌を損ねて。つまらない存在が友を使役するのであればその場で始末する――とでも言わんばかりの言葉だったが、エルキドゥはやんわりと笑って「それは無理」と答える。
さすがの英雄王も、神でも人でもない、動物が友のマスターとは見抜けなかった。
「そんなもの、好きにさせればよかろう。本来ならばその程度の些事は自分で乗り越えよと言う所だが、ここに乗り越えたのは我だからな。落下傘ぐらいは貸してやろう」
「受肉でもして本格的に生を謳歌するのでもあれば話は別だがな。その時には生きるに値せん雑種共を間引く事も考えようが、今の我には関係ない話だ」
前者はかつての聖杯戦争で、ホテルそのものを倒壊させて工房を潰した存在についての話を聞いての返答。後者の受肉についてと共に、かつて自身が召喚された際に関わった事象であるが、その自覚はないようだ。「召喚されたサーヴァントはあくまで英霊のコピーであり、一部の例外を除いて同一人物と言う訳ではない」と言う設定を端的に表す台詞だろう。
「よくわからんが……人ではないと言うのは分かる、大方魔物か怪異の類だろうよ」
ティーネにジェスターが何者なのかと問われて。
台詞から分かる通り、ギルガメッシュは死徒をよく知らない。その理由については『Fake』で扱うにはスケールが大きすぎるネタだと成田氏は語っている。
推測される理由については後述。
「うつけが! 道化とはその在り方だけで人を愉悦に落とし込むものだ!」
「自ら道化を名乗り、己が道化であることを不敬の免罪符にしようとはな! 貴様はもはや三流ですらない、道化と名乗ることも罷り成らん! 己の奇行に酔うだけの愚物に過ぎん!」
真キャスターがエルキドゥに化けるという蛮行を働き、「道化の悪ふざけだよ」と言ってのけたことに対する返答。
怒るポイントが若干ずれている気がするが、いつものことである。そして、かつて道化と呼んだ相手を知ってか知らずか思い出させる考え方である。
「フッ……奴らはまだ我の名を聞くに値せん。再び我の面前に立つならば、その栄誉を称えて我が名を伝えてやるとしよう」
真アーチャー、真ライダーからの名乗りを受け、去った後にティーネから「名乗らなくてよかったのですか?」と問われて一瞬黙った後の返答。
どう聞いても言い訳であるが、純朴なティーネはそのまま信じてしまった。

Fate/Grand Order

「フフハハハハハハハハハハ!!我を喚ぶとは運を使い果たしたな、雑種!!」
召喚されて、開口一番に吐く台詞。…多くのマスターは彼と出会うためにリアルラックではなくリアルマネーを大幅にすり減らしたとか…。
「宝物庫の鍵を開けてやろう」
「原初の理を知るが良い。『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
宝具発動。乖離剣エアの最大出力。例えどんな敵であれ撃ってくれるということは、「かっこいいところ、みた~い!」的な頼み方をしているのだろうか……?
「裁きの時だ。世界を裂くは我が乖離剣!」
「受けよ!『天地乖離す開闢の星エヌマ・エリシュ』!」
モーション変更により追加された新規宝具ボイス。その演出も相俟ってより強大な対界宝具としての威光を感じさせる。
「だがセイバー(黒、赤)は諦めよ。あれは章につき解放サーヴァント故な、我もつらい。とてもつらい」
ダウンロード300万突破を祝して行われた、410のうち好きな1騎をプレゼントという破格のキャンペーンに際しての但し書き。
当時☆4サーヴァントはデフォルトで上記のの10騎に加えて、序章クリア時にセイバーオルタが、第2章クリア時にネロがそれぞれ召喚できるようになるのだが、章解放サーヴァントを未クリア者が入手するのを防ぐためか、今回のキャンペーンでは対象外となっている。しかしこの含みのある言葉や、配布されないこの2騎を考えると、幾らか邪推をしてしまう。
なおこの台詞はあくまで意訳であることを英雄王の名誉のためにも付記しておくが、結局彼のイメージと合わないセリフだという反響が多くあったためか、後に無難な意訳に差し替えられていた。
が、後にコハエースイベントにおいて登場した残念になった英雄王がこのセリフの改変版を堂々と口にしていたりする。
「フハハハ、そして「プレゼントは貴様自身であろう?」とか言っちゃうか我!」
期間イベント"ほぼ週間サンタオルタさん"にて、サンタクロースになったセイバーオルタを待ちわびる英雄王。
告白される未来を疑わず妄想を声に出すも、サンタオルタには筒抜けであり『留守扱い』にされたため、プレゼントどころか会うことすら叶わず、あまつさえ彼女はその分自由時間ができたと、他の人と食事に出掛けようとする始末(結局いけなかったが)。
その後は一切出番なく、フリー戦闘の敵として登場。名前は"サンタ募集中"であり、最後まで待っていたようであるが、サンタオルタさんは最終的にトナカイにプレゼントされた。我はつらい。とてもつらい
届かぬ理想ほしを目指し、足掻く姿こそ、地上における星である。
星とは天にあっても地にあっても届かぬもの。だからこそ美しいのだ。
『FGo material』におけるアルトリアへのコメント。

カーニバル・ファンタズム

「おまえのものは我のもの」
第1話にて、バラエティ番組と化した聖杯戦争に突如乱入し、宝具禁止のルールを無視し「ルールブレイカー」と高々に叫ぶ。当然キャスターから「それは私の台詞」と突っ込まれるも、上記の台詞を言い放つ。人類最古のジャイアニストここにあり。
「よし、まずは酒だ。くだらない酒をだそうものなら店ごと吹き飛ばすぞ」
「ここは喫茶店です」(セイバー)
「知っておる。わざと言ったのだ。AUOジョーク、大いに笑うがいい。ハハハハハ。」
第8話にて、アーネンエルベでセイバーがバイトをしていると聞きつけ来店。相変わらずのギャグセンスにセイバーのフラストレーションが溜まっていく。
「セイバー、お会計だ。
 テイクアウトは……お前だ!」
上記の続き。セイバーをお持ち帰りしようとした際の台詞。この台詞に堪忍袋の緒が切れたセイバーは…。ちなみにこの台詞、実際の作中では「お前だ!お前だ!おま、おま、お前だ!お前だお前お前お前だお前だお前だ…」と、関氏がセルフエコーをかけていたりする。

その他の作品

「我のモノになれ!! この一言で片付く!!」
エイプリルフール企画『戦車男』にて。んなわけがあるか
めんこいJK「エルメロイの女」に告白できない小心なミリオタへの、全然参考にならない引きこもりニート時々ストーカーからのアドバイス。お隣に住む幼馴染みのエルキドゥちゃん(女子)からは「そういうセリフはセイバーを手に入れてから言いなよ…」と容赦の無いツッコミを入れられる。
「お前宝具のおかげだろとか貧乏人乙!!」
『コハエース』で「王様サーヴァントの強さとは」な話題になるや否や、いきなり現れてドヤ顔で言い放つ。
皆が常々思ってても敢えて言わなかったことをさらりと言ってのける辺り流石コハエース、そこに痺れないし憧れない。
「聞け! 次の文化祭、我が弓道部の出店は我の財でもって豪華絢爛に飾られ、華々しく売り上げ一位を取るであろう。
 その際、大した結果も残せぬ剣道部の代表たる貴様は、勝者である我に服従する定めと知れ」
「もはやこの決定は覆せぬ。さぁ! 我の下であがくがいい!!」
ドラマCD「アルトリア・ロマンス」より。創造神きのこから「学園ものロマンスをせよ」と啓示を受けたセイバーが漠然と妄想した「強引なアプローチをかけてくる先輩キャラ」像なので、厳密にはギルガメッシュ本人の台詞ではないが……
なお、ラスト1行の台詞の元ネタはディルムッドの中の人が主人公の、未成年のよい子がプレイしてはいけない女性向けゲームのタイトルもじりである。何やってるんですか、シナリオ担当の磨伸先生。
「しかし早いものよ、あの地獄の大威信聖杯制覇も昨日のことのようだ」
「天頂五輪、大聖杯會だと……!?」
「ああ、天頂と呼ぶだけあって、ここ地球ではなく天の上、月面で行われる大武會、ムーンなんとか、なんとかマトンの力によって集められた128の猛者が、最後の一人となるまで戦い続けるという熾烈な大會よ!」
「フッ、我に男を問うだと……? 笑止! 見さらせぇ!! これが男の根性じゃぁあああああ!!!」
同じく「アルトリア・ロマンス」より。セイバーの妄想とは異なり、実際に繰り広げられたのは「学園ものロマンス」の定義認識違いからくる豪華男性声優3人の『魁!男塾』ごっこだったといいます。
3行目の台詞、この時点で既に実際に月面の聖杯戦争への参戦が決まっていた英雄王に言わせるあたりが実に磨伸先生。
「愉悦研究会よ。夜な夜な薄暗い教会の地下に潜り込み、綺礼と二人で酒を酌み交わしつつ、真の愉悦とは何かを延々問答し妄想し続けフハハハハッ!と邪悪に笑い合う。
 そんな紳士の社交場、それが愉悦研。」
同じく「アルトリア・ロマンス」より。セイバーから何部所属かと問われた際の回答。さんざんネタにされた愉悦ネタがまさかの公認化。ちなみに『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』でのチーム名は「優雅なる愉悦倶楽部」であり、『ちびちゅき』では自分が設立した「愉悦研究会」に所属している。
「フフフ、ついに愉悦の何たるかを弁えたようだな。でもこれはこれで底が見えた感じ。これからは名字だけで呼んじゃおっかな」
『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』にて。『Zero』と『stay night』で言峰綺礼の呼び方が違う理由が判明。アーチャー陣営の脚本は虚淵氏担当だが、はたしてこれはマジなのだろうか……。
「……セイバー……まさかこの我が、おまえの境遇に同情するとは……」
『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』のバーサーカー陣営シナリオで、ランスロットに「集団の中で孤立しているのを生暖かく見守るのが通」と言われて。
さすがの英雄王もセイバーに同情を禁じ得なかったようだ。
「我が進む道 それだけが唯一正解の道なのだ!」
「聖杯の泥など恐るるに足りんしな!」
『ちびちゅき』にて。クイズを間違えると聖杯の泥をかぶる羽目になるが、彼だけは泥に耐性を持っているため自信満々。
で、そんな彼を待っていたのは黒桜による体内消化であった。
「恐れ入ったぞ雑種ども。我が力と財をこうまで穢し辱めるとは。
 王たる我に働いた狼藉と蛮行―――その生の全てを以って償ってもらおう……!!」
『プリズマ☆イリヤ ドライ』にて。散々自分の力を利用したエインズワーズ家に業を煮やし、自身のクラスカードを使用した美遊の精神を乗っ取る。

メモ

  • 『stay night』ではクラスが被るため、エミヤは「アーチャー」、ギルガメッシュは真名そのままで「ギルガメッシュ」と呼び分けられている。ギルガメッシュの呼ばれ方は他にも複数あり、「ギル」「金ぴか」「AUO(英雄王のもじり)」などとも呼ばれる。
  • 基本的に戦闘行為そのものが眼中にないのか不意打ちすることが多く、アーチャーと衛宮士郎との戦闘を覗き見て戦闘終了後に弱ったアーチャーの止めだけを刺すなども行っている。ちなみに、アーチャーにほぼ同じシチュエーションで(完全に)止めを刺されるなど意趣返しされている。
    ただ、Fateルートの場合は堂々とした王として対峙しており、『Zero』では堂々たる最強宝具同士の激突を征し、手ずから倒す相手と認めたライダーを仕留めているなど、やる気にさえなれば強いし威厳もある。
  • アニメ『Fate/staynight』では女性スタッフ人気が高かったとされている(なお、男性スタッフ人気は葛木宗一郎であった)。セイバー役の川澄氏や凛役の植田氏も、主役の士郎を差し置いてギルガメッシュが一番好きと豪語している。その理由は「態度に実力が伴っているから」。また、キャラクターデザインの武内氏はFateシリーズで一番好きなシーンに「セイバーの頬を撫でるギルガメッシュ」を挙げており、そのシーンが本作で初めて映像化された際には、イメージしていたドンピシャだったと大絶賛を送った。
  • 『CCC』では難易度「チート」とされたため序盤から楽勝かと思いきや、長い間のブランクが祟りリハビリが必要なほどに弱体化している。最終的には間違いなく最強クラスの実力を取り戻すのだが、序盤は遥か格下のエリザベートに簡単に敗れるなど他のサーヴァントと大差無い。
    むしろ他と比べてスキルが力押し一辺倒な上に消費MPが多いため、序盤から調子に乗っているとえらい目にあう。
  • 「王の財宝」から繰り出す「宝具の原典」の数々は、それと知らぬ者には登場する伝承も由来もてんでバラバラの宝具を同時に操っているように見えるため、真名を隠すのにも一役買っている。
    セイバーも第四次聖杯戦争の時点では、最後まで真名が判らなかった。第四次で彼の真名を独力で看破したのはイスカンダルのみ。イスカンダル曰く「余より態度がでかい王など一人しかいない」というのが理由(彼より態度のでかい王もいそうなものだが、あくまで「イスカンダルが口にした理由」であるため、他の要素も含めて判断したのだろうと思われる)。
    第五次では、士郎が「ギルガメッシュの宝具は偽物ではなく本物である」という推測をしたことを評価し、自ら出自を明らかにした。
  • 本人は、戦略的な意図から真名を隠していたわけではなく、理由を要約すると「我の顔を知らないような雑種は死ね」。
  • 魂の色は黄金色。比重は一般人数十万人分。
    聖杯が充足するのにサーヴァント2騎(ランサー+キャスター)+彼の魂で足りるなど他の英霊と比べても規格外に強大な魂を持つ。
  • その圧倒的な魂と強靭な自我から「この世全ての悪」の汚染に耐えられる唯一のサーヴァントとされている。
  • 第四次で「この世全ての悪」に飲み込まれず、逆に第五次のHFルートで飲まれたのは、本体から切り離された状態か繋がったままかの違いからである。しかし他のサーヴァントと違って黒化・使役されなかったのはそもそも黒に染まらず操りきれないからであり、聖杯に取り込んだ後、桜もこれは急いで消化しないと食い破られる、と怖れて即座に魔力変換したためらしい。それでもなかなか分解できないので「この世すべての悪」は腹痛に苦しんだのだとか。
  • 『hollow』終盤で本気を出した際、裸の上半身に刺青のような模様が存在しているが、他のシーンで服の隙間などからは確認できない。しかし『CCC』において電脳世界では常に模様が出ているのか、本気になっていなくても確認することが出来る。
  • 遠坂凛とは本編での絡みは少ないものの、有能だがとにかくお金のかかる女であるため、両者が組んだ場合の相性は「最高にいい」と用語辞典で公言されている。
    『EXTRA』世界の凛についても同様らしく、『CCC』では本人らが相性の良さについて度々明言している。
  • その高いプライド故に無関係な一般人(子供は除く)が話しかければ、それだけで無礼者と怒るとされ下手すれば見ただけで殺される。
    『CCC』においても、「見る」「聞く」「語る」それぞれに令呪を1つずつ必要とする始末。
    一方で気に入った者に対しては対等な口調で会話してもさほど気にせず、咎めもしない。また自身が認めた人物には相応の態度で応じ、主人公 (EXTRA)やエルキドゥ相手にはその様子を見せる。
  • 『CCC』にて「人間を諌め地上に繋ぎ止めるための楔」として星の抑止力によって生み出された存在であったことが明かされる。
    しかし神でも人でもない独立した存在であった彼は、生まれながらに神ですら理解できないほど広く遠い視野を有しており、結果として抑止力の意思を無視、神を廃して人を憎み、人と星の未来を守護し見定める道を選んだ。
    楔として生み出された筈が、神を旧時代のものと一蹴しとどめを刺す存在となってしまったのである。これには生み出した神ですら「どうしてこうなった」と悩んだとのこと。
  • 人類の歴史の観測者にして裁定者という、いわばムーンセルと同種の存在であるという。
  • 好みの女性のタイプは「崇高な処女(おとめ)」。子ギルの場合は「野に咲く花」。
    反面、男性に依存しつつもその内面では男性を利用するタイプ、つまり「女らしい」女性は嫌いな模様。
    • ちなみに、『CCC』で語った青年時の好みの容姿は「碧眼」「金髪」で「スレンダー」な女性。どう考えてもセイバーです、本当にありがとうございました。
  • 『stay night』、『Zero』、『CCC』など各作品ごとに性格に違いを感じるという意見があるが、『stay night』では無駄なモノに溢れた現代社会への嫌悪感から、やや荒れた性格になっているらしい。『CCC』の場合、ムーンセル世界へは嫌悪感を抱いておらず、また選ばれた者たちが鎬を削りあうという状況に加え、受肉をしていない為に欲が少なく態度が通常時より軟化しているという。
    • 『stay night』ではセイバーと言峰から泥の汚染によって以前とは性格が変化している事を指摘されたが、彼自身は影響など皆無と語っており、実際は受肉による性格の変化だと推察される。
    • 加えて『CCC』では、黄金Pを名乗り始めたり、下らないギャグを口にしたり、中身がショボいアイテムフォルダを「年始の福袋」に喩えたりと俗な表現を用いることが多い。
  • 『Zero』と『CCC』にて、親友エルキドゥと死別する場面が描かれたが、その内面描写は正反対。『Zero』では取り乱さずに彼の死を見届けたが、『CCC』では罰を受けるのは自分であるべきと号泣しながら彼の死を泣き叫ぶ描写になっている。作者の違いによるもの、或いは両者に視点の違いによる変化ではないかと推測されている(『Zero』はギルガメッシュ自身の回想。『CCC』ではエルキドゥの回想を主人公の視点によって見ている)が視点の違いにしてもエルキドゥの内面描写からして異なっている。
  • アニメ版『Fate/Zero』の第一期EDで生前を描いた一枚絵が登場。モチーフはおそらくドゥル・シャルキンのサルゴン2世宮殿に残されたレリーフ『獅子の子を抱くギルガメッシュ』(ルーブル美術館所蔵)。モチーフのレリーフでは獅子との関係性は様々な解釈が可能だが、ここでは非常に懐いた様子が描かれている。
宝具や能力関連
  • TYPE-MOONには「ギルガメッシュ」の名を持つキャラクターが3人存在するが、それぞれ特性が違う。
    『Prototype』のギルガメッシュは宝具の射出数が少ないものの白兵戦技能が最も高く、財宝と双剣を組み合わせて戦うなど戦力的にも安定しており、性格も人間的で比較的扱いやすい。反面、最強宝具である「終末剣エンキ」を最大の威力で使用するためには、7日も必要とするため、速攻性で他に大きく劣る。
    『stay night』のギルガメッシュは宝具の射出数が最も多く、最大出力での攻撃「天地乖離す開闢の星」の威力が売り。だが「慢心」に加え、一度相手にリードを許すと冷静さを失いアドバンテージを取り戻せなくなる精神的な弱さ、技量の低さが評価を下げる。
    子供の頃のギルガメッシュは宝具の扱い方に関して他より優れ、「慢心」を始めとする精神的な問題も無く、基本的に聖人君子なので安定感もある。しかし、子供の姿で現界しているだけに身体能力は最も低く、最大火力も低下している。
  • 彼が「弓兵」のクラスで召喚されたのは、「王の財宝」から宝具をそのまま無数に降らすという、魔弾の射手=遠距離攻撃・投擲という戦闘スタイルに拠る。このスタイルはエルキドゥとの戦いで生み出されたものだという。本人曰く「宝物を擲つ頭の悪い癖」
  • 先に言及したように、あらゆる宝具を収めた王の財宝にもいくつか収蔵されていない宝具が存在する。カルナの宝具である『日輪よ、死に随え』は収蔵していないと断言されてはいないが、「派生は他の者が扱えば良く、自分が原典を押さえていればそれで良い」という主義のギルガメッシュがこの宝具を所望している為、『日輪よ、死に随え』は収蔵されていない(と少なくともギルガメッシュは判断した)可能性が大きいと思われる。
    • 『hollow』では花札について「解析する事に意味がある」として、解析後に蔵に収めず返却しているため、「自身がしっかりと宝具の存在と正体を認識する事が出来るかどうか」が重要な様子。「知りうる原典であるならば自然と収蔵される」と言う、一種の概念宝具の類なのかもしれない。
  • 『stay night』でも解説されているように、彼が宝具を使いこなせないというより、正確には「宝具自体、原典に似ているが別物の『無銘』の集まり」なので、そもそも全てが「『真名』を持たないが故に、本当の意味での真名開放は出来ない」というのが正しい。
  • 彼のトレードマークである黄金の甲冑だが、これ自体の強度もかなりのもので士郎がマスター時のセイバーの斬撃を何発を受けながらも多少へこむ程度。更に石化を防ぐ効果もあるという。『CCC』ではこの鎧姿で迷宮を駆け回ることになるため、パーツが擦れあう音がなかなかにやかましい。が、中盤になって衣装変更機能が追加され、甲冑以外の衣装にするとどうしてか甲冑の音が恋しくなる。ちなみに、『Fate/EXTRA material』にてあまりの煩さにマジギレするザビ夫の絵が掲載されている。
  • 本人の宝具に「天の鎖」も挙げられる場合があるが、ステータス画面に記されていない点や作中一度も真名解放していない点などから「所有物の中でもお気に入り」ではあるが、彼自身の宝具ではない、という見解が一般的。
    • 「天の鎖」は劇中のバーサーカー等からも窺えるように捕えた瞬間無力化出来るものではなく、抵抗する余力があれば脱出も可能。しかし、高い神性を持つ存在が捕えられた場合は自力で断ち切るのは非常に困難。令呪のバックアップをもってしても脱出は出来ず、外界からの援助も至難の業。
      『プリズマ☆イリヤ』では宝具に巻きつけて絡め取ったり、対象を鎖で雁字搦めにし黒ひげ危機一髪のように攻撃する事や、敵の攻撃を避ける為に移動に使う、離れた場所にいる味方を引き寄せる等、様々な場面で応用をきかせる万能宝具として描写されている。
      本編『stay night』でも、巨大な肉の塊となった聖杯を運搬出来る程度の強度や、汎用性は発揮している。
    • ただし、「複合神性」を持つメルトリリス(レベル999)には撤退を余儀なくされ、神性Aのカルナには苦戦。冬木でも令呪で縛られたランサーに半日梃子摺った上に手傷を負わされたこともあり、神性の高い相手に対してとりあえず出せば漏れなく対処出来るという程の万能性は無い。
  • 『Fake』ではギルガメッシュが使っている物とは別の「サバイバルナイフほどの大きさで宝石を飾られた鍵」が登場しギルガメッシュ召喚の触媒となったが、本人によると造らせてみたものの彼の宝物庫に手を出すような不埒者がいないとして使わずに捨て置いた鍵(つまり宝物庫の防犯用の鍵と思われる)とのこと。
  • 「王の財宝」に貯蔵されている道具の中には他の英霊の死因及び弱点の宝具も収められており、それらを繰り出す事で優勢に戦えるという。彼が対サーヴァント戦において、圧倒的なアドバンテージを誇る理由でもある。
    ところが彼の基本戦法は射出宝具の物量によるごり押しで、愛用の「天の鎖」を除けば敵サーヴァントの弱点を突くのに使用する場面は少なく、色々と勿体無い事になっている。
    これに関しては、先述の通り当人も悪癖だと自覚している。
    • この為か子ギルの方が「王の財宝」の射出量自体はずっと少なくなるものの、相手に合わせて上手く使いこなすので、こちらの方が或いは厄介かもしれないと奈須きのこ氏は語っている。
  • 『CCC』の戦闘において、ガードでは宝物庫からの攻撃、ブレイクでは削岩機のような武器、アタックでは黄金の双剣と宝槍、エクストラターンでは黄金の大斧を用いる。この内双剣は「風を放つ」にて、大斧は「嵐を払う」の攻撃スキルでも使用している。
    ちなみに、黄金の双剣は『Fate/Prototype』のアーチャーが使用していたものと非常に似ている。
  • 『CCC』で彼が用いる補助スキル「エヌルタの灰油」「王律権ダムキナ」「王律権キシャル」は、それぞれ古代メソポタミアにおける神々の名前である。
  • 「王の財宝」はその総量こそ底なしであるものの、個々の宝物が不滅ということはない。戦闘によって破損する事もあるし、使い捨ての宝物もある。場合によっては不要といって回収を拒否することもある。
    • キャスターの巨大海魔に使用した宝具は汚物まみれになったと言って回収しなかった。「消費型」としてわかりやすいのはヴァジュラや、聖杯問答で蔵から出した酒。酒の方は飲みかけを蔵にしまい、後にライダーとの決戦時に再び蔵から出して飲み干した。
    • 『プリズマ☆イリヤ』では、ギルガメッシュのクラスカードの力を借りて戦うアンジェリカによって「王の財宝」の中身の多くを奪われ、子ギルが苦戦を強いられている。
  • スキルを見てみると、戦いの主軸たる「三騎士」でありながら、実は戦闘になった場合に有効なスキルが一つもない。
    「対魔力」はランクが低いためあまり役に立たず、「単独行動」や「黄金律」も戦闘になってからの有用性は極めて低い。代わりに、アーチャーのクラスが特性とする「強壮無比な宝具」がまさに適用されている。
    • 『CCC』では新たなスキル「コレクター」が確認できるがこちらも戦闘向きではない。
  • 半神半人というものの、彼の「神」度合いは2/3という高さを持ち、本来ならば神霊適性A+でバーサーカーのAを上回る。ただし本人が神々を嫌っているためランクBへダウンしている。
  • 衛宮士郎&アーチャー、バーサーカーら相性が悪いとされている相手でも、慢心せず、距離を詰めさせずに初手から「天地乖離す開闢の星」を放てば、まず対処できないだろう。結局のところ、彼の最大の敵は己の「慢心」に他ならない。絶対に勝てなかったのは自分自身だった、というのは何だか寓話のようである。
  • 第四次で「単独行動」のランクがAだったのに対し、第五次でA+に上昇しているのは、聖杯の泥を被って半ば受肉しているため。
  • 洞察力及び鑑定眼は優れており、大抵の物事は一目見ただけで把握出来る。戦闘においても他人の本質や能力も把握し、効果的な宝具を取り出す事で戦いを優位に進める。
    本編ではキャスターの魔術による偽装にも騙されず追撃を掛けて仕留めたり、バーサーカーの「十二の試練」の仕組みを即座に見破り、士郎の投影魔術を先読みして投影した本数を把握するなどの芸当を披露している。また桜の聖杯の器としての特性にも一目で気付いたという。
    『hollow』の世界の謎も即座に見抜いていて、『CCC』でもその洞察力で序盤で物語のカラクリに気付いている。そのため『CCC』では公式から2周目以降に選ぶことを推奨されている。『CCC』メンバーの中で唯一ラニ相手にチェスで勝利してもいる。
  • 三騎士でありながら、対魔力のランクは余り高くない。コレはそもそも彼自身に対魔力に相当する能力がないからだという。因みに四次と五次で対魔力のランクが変化しているが、マスターである言峰の魔力供給量が時臣に大きく劣るからと解説されている。
    もっとも彼自身は武装で魔術対策は万全の為に魔術は効かない。作中では凛のAランク相当の宝石魔術を完全に無効化にしている。このため、実質的に対魔力のスキルは良くも悪くも無意味になっている。
    • そもそも言峰は二重契約の影響で割けるだけの魔力は無い上、彼もマスターに魔力面で依存していないので、マスターの能力差ではなく魔力供給自体を受けていない影響と考えられる。
  • 『CCC』にて封印されたものの、元々本人も月の表側の聖杯戦争には興味がないと語っている。本人によると聖杯戦争の醍醐味は裏切りや策略といったものであり、トーナメント形式である表の聖杯戦争ではそういった要素がどうしても薄くなってしまうので魅力はまるで感じないという。
  • 新人類が生み出す全く別の概念によるものは「王の財宝」の中に存在しないという設定上、『Notes.』に登場する新たな霊長類・亜麗百種の武装は納められていないと思われる。
  • 初期設定ではゲートキーパーというイレギュラークラスを予定していた。「ゲートキーパー→衛宮」というミスリードを狙ったネーミングだという。
  • 『CCC』本編ではクラスなど無いと主張しギルガメッシュと呼ばせているが、『EXTRA material』にてクラス別能力として「単独行動」を所持していることが明らかになった。ただし『CCC』ではランサーがクラス別能力として「戦闘続行」を持っていたり、キャスターがクラス別能力として「高速詠唱」を所持していたりと従来のクラス別能力の枠に捕らわれていないので、冬木において基本七クラスでは唯一単独行動をクラス別能力として会得するアーチャークラスかは不明。
    • なお、作中でやたらとアーチャークラスを褒めちぎる描写がある他、カルナとの対決時にも彼から「強いていうならアーチャーのクラスだったか」と評されている。
  • 最高位の魔術師が持つ千里眼をもつため、「魔術師」のクラスの適性もあると思われる。

話題まとめ

vsアルクェイド
通常、アルクェイド(平常時)とサーヴァント(平均的性能)がやりあった場合、サーヴァントのほうが不利であるとされる。
しかし、その宝具性能からサーヴァント3体分の火力を誇るため、本編の全サーヴァント中、単独でアルクェイドを上回るとただ一人明言されている。加えて、アルクェイドの出力が「相手自身の戦闘力を上回る程度」であるため、本体自身の戦力よりオプションの火力のほうが強力である彼にはどうしようもなく相性が悪い点も幸いか。
なお、この二人(というか真祖)は、「ガイアが力を強めていく人類を脅威に思い、対抗策として生み出したモノ」という共通点を持つ。真祖の中で、アルクェイドは十二世紀頃にデザインされた傑作なので、ギルガメッシュは3800年程年上の先輩ないし叔父に近い存在である。
キャラクター造形
黄金のフルプレートを身に纏い、生前にこの世の全ての宝を所有していた――というのは、往年のアーケードゲーム「ドルアーガの塔」の主人公へのオマージュである。
「ギルガメシュ叙事詩」にはそのような記述は存在しない。しかしシュメール文明は後の時代(現代にまで及ぶ)に影響を与えた高度なものであり、ギルガメッシュら歴代の王たちは神格化され王朝が変わっても長く信仰され続けた。
「ギルガメシュ叙事詩」も成立が古いだけでなく、亜人・神と人の愛憎劇・洪水伝説・黄金・不老不死・蛇・冥界など、世界中の神話に共通する重要なファクターが多数登場する最古の物語でもある。
世界の文明・文化の起源はシュメールに遡るという説もあることから、Fateでは「宝具の原典」という形でこれらを独自に解釈し、統合したと思われる。
Fateの裏の顔
現在発表されているFate作品のほぼ全てに参戦している。『stay night』、『hollow』、『Zero』、『Fake』、『Grand Order』に加え、『プリズマ☆イリヤ』シリーズではツヴァイ以降に登場、『EXTRA』シリーズでは『CCC』に主人公のサーヴァントとして参戦を果たしており、『Prototype』シリーズでも自身の元ネタが参戦しているため、『Fate』と冠したシリーズで全く登場しないのは『Apocrypha』だけである。
セイバーがFateの表の顔ならば、ギルガメッシュは裏の顔と言えるだろう。
プリズマ☆イリヤ
ツヴァイのラスボスポジションとして子ギルが登場しているが、元々は大人の姿で登場する予定だった。
子ギル化した理由はいくつかあり、「魔法少女の活躍する世界観と合わせるため」「作者のひろやま氏にギルガメッシュのキャラクターを描ききる自信がなかった」「元の姿だといい大人が子供をいじめているように見えるから」とのこと。

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