概要
「普遍的な」意味を持つ一大宗教。その裏側に存在する組織。世界を二分する宗教の一つ。世界規模の宗教が基盤となっている集団。
教義に反したモノを熱狂的に排斥する者たちによって設立された、「異端狩り」に特化した巨大な部門。これを聖堂教会と呼ぶ。
TYPE-MOON世界最大の組織であり、代行者、各教会が保有する騎士団、そして教会本部が隠し持つ埋葬機関と、強大な戦力を保有しており、吸血種をはじめ、人の範疇から外れてしまった者達にとっての天敵として君臨している。
主の御名の下、魔術を許さず、異端を許さず、神秘を独占する。人類という種の知識の全てを管理しようと躍起になった者たち。
彼らの目的は全ての異端を消し去り、人の手に余る神秘を正しく管理することである。このため、「神秘の秘匿」を第一主義とする魔術協会とは仲が悪く、幾度と無く刃を交えてきた間柄。しかし彼等にとって最大の敵は吸血種である為、現在は協定が結ばれ、表面上は不可侵を保ち、時として協力し合っている。尤も実際のところは、記録に残さない事を前提に、陰では現在もなお殺し合いを続けている。
ただ、特に教義に反しているというわけではないので、魔術師の持つ根源への渇望には関知しない。
神秘に関する集団では「三大組織」の一角とされており、過去を探求して根源を求める魔術協会、ひたすらに未来を計算し続けるアトラス院と並び、「世界の神秘を一元化することを目論んでいる組織」と見なされている。
レオナルド・ダ・ヴィンチが生きていた頃はもっと過激だったが、現代では活動を潜めている。
洗礼詠唱
聖堂教会において、唯一習得が許される奇蹟。
主の教えにより迷える魂を昇華し、還るべき「座」に送る簡易儀式。
各魔術流派は、それぞれの魔術理論の基盤を世界に刻みつけ、そのルールとシステムに乗っ取って魔術を起動させる。
信仰・基盤の小さな一派の魔術は弱く、他国においてまっとうに機能しないのはザラ。
その中において、もっとも広い「基盤」を持つ魔術理論が教会による神の教え、聖言である。
物理的な干渉力は微弱だが、霊体に対する干渉力は絶大。また、呪いを解く効果も高い。
彼らの教えがここまで広く浸透したのも、この「魂に訴える」奇蹟が、多くの人間の心を癒すからだろうと言われる。
主な詠唱は以下のとおりである。
- 私が殺す。私が生かす。私が傷つけ私が癒す。
- 我が手を逃れうる者は一人もいない。我が目の届かぬ者は一人もいない
- 打ち砕かれよ。
- 敗れた者、老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え。
- 休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、あらゆる重みを忘れさせる
- 装うなかれ。
- 許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を
- 休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ印を記そう。
永遠の命は、死の中でこそ与えられる。 - 許しはここに。受肉した私が誓う
- “
この魂に憐れみを ”
浄化
教会のアンデッド(主に死徒)の処置方法。
「人間を辞めた吸血鬼の肉体に人間だった頃の自然法則を叩き込んで、肉体を洗礼し直し塵に返す」、というもの。肉体の構成を開いて元に施錠し直す、というところから、この儀式に用いる概念武装を「摂理の鍵」と呼ぶ。
代行者などは「黒鍵」を用いるが、普通はその死者が人間だった頃に馴染みの深かった宗教的シンボルを用いる。代表的なものは、キリスト教徒における十字架。
死者自身がキリスト教徒であればよし。キリスト教徒でなければ効果は見込めない。が、死者自身がキリスト教徒ではなくとも、死者を生み出した「親」がキリスト教徒であればそれなりに利く。「親」と「子」の両者がキリスト教徒であれば、効果は絶大なものとなる。
代行者
エクスキューター。教会の異端審問員であり、教義に存在しない「異端」を力ずくで排除するモノたち。
法王を支える百二十の枢機卿たちによって立案された、武装した戦闘信徒。
聖堂教会においても一際血なまぐさい部署、異端討伐の任を負う修羅の巣窟と例えられる役職とも言われている。
詳細は「代行者」を参照。
聖堂騎士団
聖堂教会に所属する騎士と、その騎士団。教会の有する戦力のひとつ。
神なき地に遠征することはいかなる理由だろうと許されず、聖地の守護にのみ動く。代行者とは異なり、常に数で圧倒する戦術を執る。
埋葬機関
聖堂教会の最高位異端審問機関。
代行者たちの中でもさらにトップエリートが所属する組織。その名に違わぬ超武闘派集団で、七人の代行者と一人の予備役から構成される。
状況次第では教会の意向に背くことも出来るほどの強権が与えられており、例えそれが大司教であっても悪魔憑きならば即座に串刺しにするほど。これゆえに、異端を狩る機関でありながら、「教会における異端」と囁かれる。
第八秘蹟会
聖遺物の管理・回収を任務とする特務機関。
「秘蹟」とは、聖堂教会の教義において神から与えられる七つの惠みを指す。「第八秘蹟」とは、正当な教義には存在しない恵みを指し、この名を冠するこの特務機関は、異端と深く関わる部署であることを意味する。
構成員の一部は代行者。
その他の所属人員
- カレン・オルテンシア
- アルマ・ペトレシア
- 文柄詠梨
- 周瀬唯架
- 須方スナオ
- ハンザ・セルバンテス
- デルミオ・セルバンテス
- ディーロ
- カラボー・フランプトン
関連組織
- 魔術協会
- 基本的な方針が決定的に異なるため、対立関係。現在では冷戦状態だが、「記録を残さないこと」を前提の殺し合いは頻繁に発生している。
- アトラス院
- 魔術協会本体と比べるとそこまで深刻な対立はしていないが、「他の組織への不干渉」を掲げることには懐疑的で、組織としての動きを監視している。
- 人理継続保障機関フィニス・カルデア
- 出資先の一つである研究団体。もっとも、かなり深い所に居る人員以外は存在を知らない程度にはマイナーな模様。
- パララララ機関
- 神論と魔術論を融合しようとした組織。存在意義そのものが禁忌に触れる為、過去に教会の手によって潰された。
- ドイツ第三帝国
- 同じ神秘に関連した組織として対立。『帝都聖杯奇譚』では封印された聖遺物である「栄光の右手」を奪い取られた。
Fate/EXTRAにおける聖堂教会
『EXTRA』の世界では、大崩壊の影響で神秘は崩壊し、宗教基盤を失いはしたものの、新たな方針のもと軌道修正をし、EXTRA世界においても強い影響力を維持している。
時代が信仰を全く必要としなくなったこともあり、西欧財閥に取り込まれ始めている。
在り方や方針を曲げてまで影響力を維持しようとしており、ハーウェイ家と懇意にしているレンティス枢機卿など一部の特権階級の発言力はまだ残っている。だが形式としては「協調」の形を取り繕っているが、代行者を始めとする戦力、装備や施設も西欧財閥の影響下にあり組織としては本来の姿から大きく変質している。
創立時より在り方が変化しており、権謀術数を得意とするラウレンティス枢機卿がイヤイヤながらも法王をもり立てている。
ラウレンティス枢機卿が嫌がっているのは「自分のような悪逆の輩が法王の後継人など片腹痛い」という理由らしい。
更に神秘の崩壊後は「聖人」を輩出することも難しくなり、『EXTRA』の時代では一人も輩出することが出来ず、自分たちの関与していない聖人と呼ばれた人物を排除するため西欧財閥に縋って指名手配にするなど、威信は大きく失われている。また死徒や魔術協会といった宿敵の消滅に伴い、その存在意義も危ぶまれている。
言及作品
メモ
- ぶっちゃけてしまえばキリスト教である。いろいろ問題があるのか明言は避けられている……かと思いきや、『Complete Material』にて堂々とカトリック教会の裏組織と記載があったりする。
- 月姫作中においてもキリスト教だという言及はある。
- 用語辞典などで『“普遍的な”意味を持つ一大宗教』と表現されているが、「catholic」とは「普遍的」という意味。
- ただし、「裏側に存在する組織」とされているように、基本的には独立した別の宗派の一つと考えた方が間違いは少ない。言峰親子が結婚していることなど、一般的に知られているカトリックの教義にはそぐわない描写もある(現実にも、カトリックを名乗る教派は一つきりではない)。
話題まとめ
- カレー狂いのシエル、激辛麻婆豆腐にしか意義を感じない言峰綺礼、花椒粉を常備しているカレン、何にでもタバスコをぶっかける須方スナオなどのメンツが所属していることから、一時期「激辛マニアであることが所属条件」などとまことしやかに囁かれていた。最近では普通の味覚の所属員も多く登場しており、このような風潮は薄まった。
脚注
注釈
出典