妖精

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概要

自然の触覚であり、魔術では成し得ない神秘を基盤とする。精霊より規模が小さく、基本的に人間には知覚されない。但し人間の想像図を外殻に生まれる妖精も稀に存在する。[出 1]
自然の妖精は幻想種であり、小鬼や赤帽子はある意味純粋な妖精である。
フィクションでは「羽の生えた愛らしい小人」として描写されることも多いが、この世界において基本的に妖精はそのような姿をしていない。そのような姿をしている場合「最初からそういう形に作られた使い魔」であるか「何らかの悪意を持って擬態している」かのどちらかである。
悪戯好きだったり人間に好意があったりと性質は様々だが、基本的には好奇心旺盛で純粋無垢がままに善も悪も関係なく楽しむという人間とはかけ離れた価値観を持っているため、一度関係を持つと人間側にとっては不都合なことになる場合が多く、『Fate/Grand Order』で汎人類史の妖精についてよく知っているフィン・マックールがその危険性をたびたび言及している事と、同じくトリスタンがブリテン異聞帯で妖精たちの宴会に招かれてさえ武器を手元から絶対に手放さなかった様子からそれが伺える。

関連用語

妖精郷
精霊や妖精が棲むとされる領域。
通常の世界とは遮断された別のテクスチャに存在しており、極まれに人が迷い込んだり、門を通して人が招かれたりすることもある。
例えばネコアルクのグレートキャッツビレッジは、小規模な妖精郷であるとのこと。
妖精眼
グラムサイト。魔眼の一種。
妖精や精霊の存在を知覚したり、それらの存在が実体を成すところを捕捉することが可能だったりする。また、妖精同士では互いの心の中がわかる機能もある。
汎人類史の妖精は生まれつき持っており『世界を切り替える』機能を備え、高位の妖精が持つ妖精眼は、あらゆる嘘を見抜き、真実を映す眼である。
大父、大母
妖精の中でも、星の内海で生まれた特別な存在。
権能レベルの能力を行使することができ、最上位の精霊や真祖にも匹敵する実力となる。
妖精騎士
妖精女王から騎士として任命された存在。
下記のアヴァロン・ル・フェでは妖精女王モルガンから「ガウェイン」「トリスタン」「ランスロット」の名前を拝領した妖精騎士が登場している。
伝承のタム・リンにあるように、妖精鄉に流された人間やハーフであっても妖精騎士になることもあり[注 1]、アヴァロン・ル・フェでは記憶を失ったマシュ・キリエライトが「ギャラハッド」の名前を拝領してるほか、汎人類史でも妖精女王グロリアーナから「ブリトマートの娘」が先代にして母と同じ「ブリトマート」の名前を拝領している。
妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ
ブリテン島に存在している異聞帯。別名「妖精國」。その名の通りメインの住民は妖精。
異聞帯であると同時に異聞世界としての側面も持ち、妖精郷同様に汎人類史から何かが紛れ込むこともある。
亜鈴
『Fate/Grand Order』のブリテン異聞帯にのみ存在する呼び名で、上記の大父・大母のうち何らかの意図や使命を帯びて地上に出てきた者たち。自然界を構成する元素でもある。作中で言及される「はじまりのろくにん」という六翅の亜鈴の妖精は「本来の使命が聖剣鋳造であった」とされる。
妖精暦に妖精國に住まう妖精はほぼ全てが亜鈴から生まれた派生である「亜鈴の仔」だったが、祖先である「はじまりのろくにん」のせいで『原罪』を背負っており星の内海に還ることが出来なくなっている。なお、この『原罪』を背負っているのは女王暦以降にモルガンによって召喚され蘇生した妖精たちも同じ。
亜鈴の仔は死んでも次代が発生するが、亜鈴は唯一無二の存在であるため次代は発生しない。しかし、稀に「亜鈴返り」という亜鈴ほどの力を持った先祖返りが発生することがある。
汎人類史では、例えばアルトリアに聖剣を授けた「湖の乙女」がこれにあたる存在であるとされている。また、汎人類史では「亜麗」と呼ばれるものである。
Notes.』に登場する新たな霊長「亜麗」との関係性は不明。
巡礼の鐘
ブリテン異聞帯において、命を終えた氏族長の遺体が変化したもの。最初は始祖の亜鈴が鐘となったが、破壊された後は氏族長が変化することとなった。
また鐘が破壊されて氏族も全滅した場合、その氏族で最後の一人だった者が死後に鐘となる。
これを鳴らすことは、その氏族が楽園の妖精に従順となることを誓い、『ブリテンを解放する』という使命へ同意したことを示す。その全てが鳴らされた時、6翅の氏族は亜鈴の仔である事を放棄し、大地の妖精となる。
これらは6翅の氏族に過去の過ちを認めさせることを意味しており、楽園の妖精は鐘を鳴らすと同時に聖剣作成の神秘を継承する。
妖精領域
亜鈴が持つ特性。
自身の持つ本質により世界を作り変えてしまう大神秘。
しかしこれを持て余した挙句自滅してしまうと妖精亡主ナイトコールとなり、亡霊として彷徨うこととなる。
領域を持たずとも存在濃度が濃すぎれば死後は亡霊になってしまうが、こちらの場合は妖精亡主と違い理性を有している。
悪妖精
アンシリーコート。一般的には悪意ある言動を主な目的としている妖精全般を指す用語(逆に善意的な言動を目的とする妖精はシリーコートと呼ばれる)だが、ブリテン異聞帯においては、暴力的な雰囲気に感化されて凶暴化したり、生まれた目的に熱中し過ぎて周りが見えなくなった妖精が変質する姿を指す。
魔力を過剰に生成し続けるため、次第に形も自己も保てなくなり、最終的には欲望に歯止めが利かなくなって周囲の誰も彼をも巻き込んだ挙句、死ぬまで他者と殺しあう。
精霊
型月世界では妖精よりもさらに上位種にあたる存在。詳細は項目参照。

種別

ゴブリン
粗末な服を着た小鬼のような幻想種。上記のように広義の妖精に含まれることがある。
レッドキャップ
名前の通り赤い帽子をかぶった小人のような幻想種。上記のように広義の妖精に含まれることがある。
伝承では非常に残虐な存在で、その帽子は犠牲者の血で染められているという。
スプリガン
古い遺跡に巣くっているとされる妖精。
土の精霊が宿った「精霊根」と呼ばれる根っこを石像に植え付けることで動き出したものが呼称され、個体によっては小さめのビル位の巨体になる。
ブラックドッグ
雷鳴とともに現れ、不幸や犠牲を及ぼすとされる妖精。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』では人間の死者を変性させた人工妖精として登場した。
バーゲスト
人の死を予言するとされる、黒い犬の姿をした妖精。
ブラックドッグと同一視されることもあるが別種であり、人間をブラックドッグに変えて使役するとされている。
バーヴァン・シー
森に住み、迷い込んだ男性を誘惑して血を吸い殺してしまうとされる妖精。
人の死を予言するとされる妖精「バンシー」とは響きが似ているが別物である。
ケット・シー
猫妖精とも言われる通り、猫の姿をした妖精。ネコアルクが間違えられかけた。
なお、上記のバーヴァン・シーとも共通するが「シー」とは妖精を指す言葉である。
クー・シー
妖精たちの番犬とされる犬の妖精。
バーヴァン・シーと同じくスコットランドの妖精であり、上記のケット・シー共々ケット・クー・ミコケルの名前の元となった。
ボガード
家に住み着くと言われる小人のような妖精。
家主のために家事を行うブラウニーとは対照的に、悪戯を繰り返して迷惑をかけるとされている。
ムリアン
蟻のような姿をした妖精。
ウッドワス
イングランドに伝わる、毛むくじゃらの姿をして野外に現れる妖精。
エインセル
イングランド北部に伝わる妖精。夜更かしした子供を連れて行ってしまうとされている。
ハベトロット
スコットランドに伝わる糸紡ぎの妖精。醜い老婆の姿をしているがその性質は善良であると言われている。
『Grand Order』ではサーヴァントとして召喚されるが、その姿は小柄な少女である。
メリュジーヌ
フランスに伝わる蛇や竜の姿をした妖精。アリエノールの祖先であったとも伝えられている。
ヴァイオレットの構成要素の一つでもある。
グレイマルキン
魔女の使い魔の猫とも同一視される猫妖精。
妖精騎士トリスタンのスキル名にもなっている。

ブリテン異聞帯における種別 

楽園の妖精
アヴァロン・ル・フェ。星の内海アヴァロンから遣わされた特別な妖精。ブリテン異聞帯の他の妖精とは違い成長する。
妖精國ブリテンで発生していない為、ブリテンの妖精には毛嫌いされるが、逆にブリテンを嫌っていたり、6翅の氏族の生まれではなかったり、自らを憎む妖精にとっては癒しとなる。
その本質は聖剣を造る為、地上の情報を集める『集積装置』。その能力は当初制限されており、巡礼の鐘を鳴らすことにより制御が解放されていく。また自身の記憶や使命・宿命も次第に思い出していく。
また、聖剣作成は同時に『原罪』を認めさせ土地ごと浄化する役割を担っており、妖精國ブリテンの妖精が忌み嫌うのは、この罪を暴かれ叱責されるのを無意識に恐れている為である。
妖精國の妖精
「はじまりのろくにん」を始祖とする6翅の氏族と、北方に住む王の氏族から成る妖精達。また、汎人類史の欧州で見られるものと似た妖精もカタチを変えて発生している。
『生まれた時から姿が変わらないもの』と『段階ごとに姿が変わるもの』の2種類がおり、成長はせず姿は変われど能力値自体はあまり変わらない。
「自分が夢中になれるもの」を名前としており、それは同時に生きる目的を示す。その目的を失った妖精は名無しとなり、衰弱した後死亡する。
ブリテン異聞帯に分岐したすぐ後は、妖精たちにとって死は眠りのようなものであり、深い魂への傷を負って存在濃度が薄くならない限りは次代が発生していた為、全体の総数が減ることは無かった様子。また、死骸はケルヌンノスの周りに浮かんでやがて地面となっていったとされている。
妖精暦11900年以前は目的を失っても平気だったようだが、その年にはじめての「厄災」(といっても、村一つが消えただけの小規模なもの)によって「死」が流行した結果、目的の喪失による死が発生するようになった。
人間がそばにいると精神的に充足するため、彼らの間では人間を保有することが一種のステータスとなっている。また、その上で人間の創造力を土台として文明を創り繁栄した。一方で、加工した鉄の武器はかぶれ毒となってしまうため忌避される。しかし武器以外であれば無害なため、日用品や建物には普通に鉄を使う。
妖精なら本来普通に持っている筈の妖精眼は、『原罪』蓄積および時間経過によって劣化し失われている。
魔力でありとあらゆる物を出力する事が出来るがただの模倣でしかなく、例えばパンなら "出力した妖精が味わったパン" の特徴しか持たない。
妖精暦の大厄災にて一度その全て(マヴなど一部の北方妖精を除く)が滅亡しているが、モルガンが召喚という形で復活させており、女王暦以降の妖精は死んだ場合再召喚されて復活する。
各氏族たちについては以下に記す(こちらのページも参照)。
風の氏族
6翅の氏族の一つ。長い耳と大きな翅を持ったヒト型の妖精で、理性的かつ平和的。
優れた妖精紋様を持ち、「風の報せ」という自身の声を風に乗せて伝える能力を持つ。
土の氏族
6翅の氏族の一つ。ヒト型の妖精で、頑強な働き者。
優れた建築技術を持っており、建物や橋・装飾品といった小物類を造る。
牙の氏族
6翅の氏族の一つ。獣人の姿をした妖精で、好戦的。その性格に見合って戦闘力も高く、氏族の中では唯一モースと戦える。
彼らを数える際の単位は「爪」で、「1爪、2爪…」と数える。
翅の氏族
6翅の氏族の一つ。大きな翅を持ったヒト型の妖精。
ムリアン以外は全てオベロンがけしかけた牙の氏族によって女王暦800年に滅ぼされている(正確にはトトロットも生き残っていた)。
鏡の氏族
6翅の氏族の一つ。外見は不明。予知能力を持ち、予言の子にまつわる予言を残している。
妖精國で最も人気のある氏族だったが、それに嫉妬したオーロラの命を受けた妖精騎士ランスロットにより、自ら記憶を消して生き永らえた氏族長のエインセルを残して女王暦2011年に滅亡した。
雨の氏族
6翅の氏族の一つ。外見・能力共に不明。
彼らが住む街に流れ着き、育てられた「楽園の妖精」による断罪を恐れた他の氏族の妖精達によって妖精暦4000年に滅亡した。
王の氏族
元はブリテン異聞帯北部にて、アルビオンの竜骸を頼りに生きていた妖精たち。
妖精暦6000年に大地を広げていった6翅の氏族たちがスコットランドあたりまで到達した際に遭遇し、氏族たちと彼らの間で「春の戦争」が巻き起こるが、結局人間を擁していた氏族たちに敗北した彼らは、皆殺しにされて滅亡した。
しかし、後にその遺骸から女王マヴが誕生。アイルランドを作って戦力を整え、妖精暦2000年に妖精國ブリテンへ侵攻し「夏の戦争」を勃発させる。が、最終的にトネリコの仲裁によって氏族の一つとして迎えられた。
女王に忠誠を誓い臣下となった者は、女王の妖精領域である血を分け与えられることでその力と知性を共有という形で下賜され、元の氏族を問わず誰でも王の氏族になれる。
また王の氏族全員の力が女王の力となるが、臣下の忠誠心が無くなると女王からその分の力が失われる(共有が途絶える)。

個体

アレーン
元は神霊だったが、邪悪な妖精に零落し、フィン・マックールに討ち取られる。
サーバ
フィン・マックールの最初の妻。妖精だったとも伝えられている。
アヴァータ
フィニアンサイクルの頃のエリンにいた妖精王。
巨人ギラ・ダッカーとしてディルムッド・オディナと戦った。
ピュリラー
ギリシャ神話に登場するニンフの一体。
馬に化けたクロノス神と交わってケイローンを産み落とすが、彼を養育することなく菩提樹へと姿を変えてしまった。
カリクロー
ギリシャ神話に登場するニンフの一体。
ケイローンの妻で慈悲深い良妻賢母だったとされる。
ヴィイ
ロマノフ皇室に代々伝わる使い魔。
妖精ともいわれているが、第三者にも視認され、能力も問題なく行使できている。そもそも創作の産物である為、妖精のカテゴリに入らないとする説も出ている。
クリュティエ
オケアノスとテテュスの間に生まれた水のニンフ達(オケアニス)の一人であり、妖精ともいわれている。
グリンガレット、クントリー
ガウェインパーシヴァルの駆る妖精馬。
最もパーシヴァルの方はブリテン異聞帯における設定の為、英霊の彼にも適応されているのかは不明。
フェイ
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』に登場した妖精。
人間そっくりの姿をしており高度な知性を持っていることから、精霊に近い存在であると推測されている。
オベロン
シェイクスピアの著作『真夏の夜の夢』に登場する妖精王。
ティターニア
妖精王オベロンの妻である妖精妃。
シェイクスピアによって創作された存在であり、様々な妖精や女神(マヴ、ディアナ、ティターン)の複合体である。
ブランカ
ブリテン異聞帯のウェールズの森に住んでいたカイコガの妖精。
オベロンと行動を共にしており、小さくなった彼を背に乗せて各地を飛び回っていた。
妖精騎士ガウェイン(バーゲスト)、妖精騎士トリスタン(バーヴァン・シー)、妖精騎士ランスロット(メリュジーヌ)
『Fate/Grand Order』のブリテン異聞帯において登場。モルガンによって円卓の騎士の霊基を着名され、それに比肩する戦闘力を持った妖精。
いずれも本来の妖精に加え、別種の要素をひとつ得ていると言う共通点がある。
アルトリア・キャスター
ブリテン異聞帯における星の内海で発生した、「聖剣を作るための集積装置」である楽園の妖精。
ヴィヴィアン
アーサー王に聖剣を授けた湖の妖精。
原典およびブリテン異聞帯では、モルガンの妖精としての名前である。
はじまりのろくにん
セファールが襲来した際、聖剣エクスカリバーを鍛造する役割を担っていた妖精たち。
ブリテン異聞帯ではその職務をサボタージュした結果、地球はセファールによって焼き尽くされてしまった。
エクター
ブリテン異聞帯に暮らしていた「土の氏族」の妖精。
アーサー王の養父であるエクターとは同じ名前だが、全くの別人である。
トトロット
ブリテン異聞帯に暮らしていた「翅の氏族」の妖精。
マシュ・キリエライトと出会ったことでハベトロットと名前を改め、女王暦を過ごしていた。
ライネック
ブリテン異聞帯に暮らしていた「牙の氏族」の先代氏族長であった妖精。
救世主トネリコと共に旅をしていたと語られるのみで本編には登場しないが、「救世主トネリコ体験クエスト」ではシャドウサーヴァントのようになったウッドワスのグラフィックで登場する。
マヴ
ヨーロッパの伝承や文学作品で登場する妖精。
妖精王オベロンの妻だったという話があり、またメイヴとも関連性がある。
ブリテン異聞帯においては、「王の氏族」の先代女王であったとされている。
ノクナレア
ブリテン異聞帯の妖精である「王の氏族」の長。その姿は女王メイヴと瓜二つである。
後にノクナレア・ヤラアーンドゥとして水着霊基でカルデアに召喚される。
ガレス(ブリテン異聞帯)
ブリテン異聞帯に暮らしていた妖精。
その正体は、「鏡の氏族」の氏族長であるエインセルだった。
レッドラ・ビット
ブリテン異聞帯に暮らしていた「牙の氏族」の妖精。
姿形は赤兎馬そっくりだが、同一人物ではない。
ホープ
ブリテン異聞帯の「名無しの森」に住んでいた、名無しの妖精。
オーロラ
ブリテン異聞帯に暮らしていた「風の氏族」の氏族長。
「風の氏族」が持つ能力の「風の報せ」を最高位で所有しており、また「誰よりも愛される」という妖精としての目的を持っている。
コーラル
ブリテン異聞帯に暮らしていた「風の氏族」の妖精で、オーロラの側近。
オーロラと違って手厳しく、規律を重んじるもののその気質が原因で殺害されてしまった。
ハロバロミア
ブリテン異聞帯に暮らしていた「風の氏族」の妖精で、オーロラの元側近。
真面目な性格であったためにオーロラに正論を諫言した結果疎まれ、翅をもがれて「名無しの森」へと追いやられた。
ロブ、ワグ、ウィンキー
ブリテン異聞帯の妖精で、三人組の行商団。
記憶を失くしていたマシュ・キリエライトを保護していた。
グロリアーナ
エドムンド・スペンサーの叙事詩『妖精の女王』に登場する妖精女王で、実在したイギリス女王・エリザベス1世と同一人物にもあたる。
実際に汎人類史においてはブリテン異聞帯におけるモルガン同様、妖精女王を務めている。
ブリトマート(初代)
上記の『妖精の女王』における主人公の一人である男装の女騎士。
汎人類史では冒険の後にグロリアーナの手によって妖精となり、妖精騎士に任じられたとされている。
異霊化した存在としてブリトマート〔オルタ〕が登場している。
花の妖精(仮)
黄路美沙夜に憑依させられた妖精。
巨大な花のような姿をしており、端末の小さな妖精を操って礼園女学院中から記憶を集めて回っていた。
気力を奪う妖精(仮)
ワカメが手に入れて、アーネンエルベで騒動を起こした妖精。虫と植物を併せた姿をしており、針で刺した相手の気力を根こそぎ奪って無力化させる。
人間はおろか、サーヴァント真祖ですら一発で無力化してしまうので、実はかなり強力な妖精。

関連人物

玄霧皐月
かつて妖精によって攫われ、統一言語を身につけた代わりに記憶の認識に異常をきたした人物。
黄路美沙夜
上記の玄霧皐月によって妖精を操る力を与えられた人物。
とはいえ魔術を簡単に「身に付けられる」わけもなく、実態は上記の妖精を憑依させられただけであった。
ズェピア・エルトナム・アトラシア
旧姓オベローン。妖精王オベロンとの関係は未だ本人のみが知るちょっとした小噺である。[出 2]
ウィルズ・ペラム・コドリントン
幼い頃に父のトレヴァー・コドリントンから妖精眼を移植された人物。
そのためにフェイに魅入られており、最期には彼女と共に妖精郷の門をくぐって向こう側に行ってしまった。
ドクター・ハートレス
かつて妖精に心臓を盗まれたとされる人物。
ノーマ・グッドフェロー
妖精眼を持つ少女。
ワカメ
ふとした偶然で気力を奪う妖精を手に入れ、アーネンエルベで騒動を起こす。
ウィリアム・シェイクスピア
『真夏の夜の夢』で妖精王オベロンや妖精女王ティターニア、悪戯好きの妖精パックなどを登場させた作家。
特にパックは上記の「羽の生えた可愛らしい小人」という妖精のイメージの元になったと言われている。
ケイローン
上記の通り妖精ピュリラーの子であるケンタウロスであり、妖精カリクローを妻としている。
あくまでケンタウロスとして生まれたためか、妖精眼などといった能力は持っていない。
フィン・マックール
上記のようにアレーンを打ち倒し、サーバを妻に持った英雄。
このため、虞美人からも「古き風に護られている」と今でも妖精の加護を受けていることを指摘されている。
ディルムッド・オディナ
上記のようにアヴァータと戦い、打倒した英雄。
義父の一人である愛の神オェングスは『妖精国の王』という肩書きも持っている。
また、自身が持つ「愛の黒子」はかつて関係を持った妖精から与えられたものである。
ガイウス・ユリウス・カエサル
伝説では妖精との間に子を成したのが上記のオベロンであるとされている。
女王メイヴ
上記のシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』で妖精の女王マブ・ザ・クイーンと同一視されている。
そのためか、彼女のスキルには妖精に関連したものが見受けられる。
ロビンフッド
森の妖精と交友を持ち、妖精が見えない村人からは妖精憑きと迫害されていた。彼も大元のロビンフッドもドルイド僧としての知識と精霊の加護を持つ。
モルガン
アーサー王を奸計によって貶めた魔女かつ、聖地アヴァロンへと導いた「湖の妖精」ヴィヴィアンとしての側面も持っていたとされる。
その為かFate時空では人間と妖精の混血という設定がなされているが、その内に秘めた莫大な魔力と、それに伴う技術力は精霊の域に達していると思われる。
マシュ・キリエライト
ギャラハッドと融合したデミ・サーヴァント。
ブリテン異聞帯では初代妖精騎士として「妖精騎士ギャラハッド」の名を着名する。
ブリトマート
上記の初代ブリトマートと人間である正義の騎士アーティガルとの間に生まれた妖精と人間のハーフ。
母の名前を受け継ぎ、二代目妖精騎士ブリトマートとなった。

メモ

  • 妖精は「妖精眼」の特質から基本的には人間社会へ干渉する事は少なく、鉢合わせが発生するのは両者の好奇心または偶然による些細な接触がきっかけである事が大半だったりする。だが、ほとんどの場合人間側が必要最低限の境界線を保ち敬意を払って接する事を心掛けていれば、余程のことがない限り問題は起きないとされている。
    • 妖精側も人間が「善意ある行動」を取っているとみなせば大概が興味をなくして何もする事はなく、時と場合によっては手厚くもてなしてくれる上に協力関係となり、それがもたらすのが相手にとって幸か不幸となるかは気にも止めず「贈り物」や「知識」といった形で恩恵を授ける事さえある。
      逆に妖精社会に人間が過干渉し、秩序や自分達そのものを害するような行為に及んだ場合は容赦なく鉄槌を下す。
  • 反対に妖精が人間社会にくい込み過ぎた顕著な例がブリテン異聞帯もとい妖精國ブリテンである。
    このケースに限っては、始祖である「はじまりのろくにん」が聖剣作成を怠けて『地球全域の消滅』という大失態を犯した前提もあるのだが、それを戒めに来た祭神にその責任を転嫁して殺害したことに加え、自分達が楽をしたいからという理由でその巫女を解体・コピーした人間のクローンを造り出している。
    • そこから人間社会の文明や技術、果てには思想や感情までも「ただ面白いから」と云う理由だけで『本質や意味』を知ろうとせずに模倣した事により、元々の気まぐれで刹那主義な負の側面に人間の悪辣さが上乗せされて自我エゴの増幅を招いた結果、妖精達の大半が自分一人が楽しむ為だけにその場を面白おかしくしようと、それが悪い事だと自覚が無いまま残虐な行為も平気で行う善悪の区別が全くない子供[注 2]を連想させる倫理観と秩序が完全に決壊した存在と化していた。
      特に後編から崩壊編にかけては、一部の氏族長が後先考えず本能のままに引き起こした行動が原因ではそれぞれ「悪意なき嘘と思い込み」によって裏切られ、妖精國ブリテンを存続させるための頼みの綱も尽く断ち切られ、その結果発生した『大厄災』による崩壊が迫り来る中、生き残っていた国民も種族同士や人間相手に一方的な争いという名の殺戮を繰り返した事で完全に思考が悪逆非道に染まりきってしまい[注 3]、最後はもはや『妖精』という概念に当てはまらない凶暴で害悪な生物イキモノとなってしまっていた
    • 「妖精特有の本質に伴う価値観なのだから仕方がない」と見ているプレイヤーも多いが、汎人類史における妖精は、本来なら人間と同じく仲間と故郷を思う意識と、価値観の異なる種族が在住しているという認識の強さから、統治者の下で独自のルールと制約を敷いて生活をしている筈の、集団的秩序と統括が正しくとれた存在である。だが、そのどちらも持ち合わせていない妖精國ブリテンにおける妖精はそれらさえも、自己の気まぐれと勝手な都合によって「邪魔だからもう要らない」と看做せば平気で破る上に簡単に壊してしまう連中ばかりであった。
      その証拠として、途中から合流したノクナレア達「王の氏族」の始祖にあたる「北の妖精」も、元を正せば同じ様に聖剣作成とは別口の、だがとても重要な何らかの目的を持って『星の内海』から派遣された存在と捉える事が出来、同時に此方はケルヌンノスの介入対象となってない事も踏まえると、元凶たる「はじまりのろくにん」と違って目的をちゃんと遂行しており、合流時点ではそれを果たし終える間際だったと考えられる。
    • カルデアの一行にはブリテン異聞帯の特異点化に伴い汎人類史に移住可能になった妖精達を保護するため、彼らをストーム・ボーダーに乗せてカルデアと同行させることも考えにあった。
      だがそれが一定以上の規模で実現していた場合、主人公とスタッフを含めた数少ない人間を誰が独占するかで周囲を巻き込み争うか、そこでの生活に飽きた[注 4]事を発端に『人理修復』が終わらない=外の世界に出られない原因と責任を一方的に彼処へ押し付けて全員を虐殺し、カルデアという組織そのものを完全崩壊させてしまうか、妖精の邪悪な本性を看破していたサーヴァント達が叛逆のたびに粛清と制裁を執り行った[注 5]結果全員がいなくなり、救出そのものが無駄に終わるといったいずれかの結末を迎えていた事は想像に難くない。

資料リンク

脚注

注釈

  1. この伝説を踏まえてなのか、北米版における妖精騎士達は全員「Tam Lin〜」名義になっている。
  2. 「目的のためなら大勢の命が失われても何とも思わない」という部分は、奇しくも型月世界における魔術師の概念に近い。
  3. 妖精の中には自分達を「悪魔」と称する者達もいたが、魔神柱を見ても分かるように悪魔は余程のことがない限り、少なくとも向こうから一方的に契約を破棄するような事はしない。
  4. そもそも妖精國ブリテンで妖精達が働いているのは、大概がモルガンによる定期的に行う莫大な魔力搾取から生き延びる必要に迫られての結果であり、必ずしも労働≠生まれた目的や役割とは限らず、性質上の点から考えても元から『働く』という概念自体が要らない。それがカルデアに行くとなれば一切必要なくなるので、何もせずにただ遊んでばかりいる者達が続出するのは火を見るより明らかであった。
  5. マスターたる主人公が善悪の判断と基準を英霊側にほとんど委ねている事と、その中にはサーヴァントとして召喚された神霊ビースト、更には宇宙の存在など、妖精を遥かに上回る神秘を持つ勢力が出揃っている事を考えれば、この結末が最有力といえよう。

出典

  1. 「空の境界設定用語集-妖精」限定愛蔵版『空の境界』付属小冊子
  2. 「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿用語辞典-ズェピア・エルトナム・アトラシア」『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿material』p.103

リンク